ザ・タイガー ~救世主伝説~
あらすじ
「遅いストレート球」
ヤクザに農園をパクられそうになったから殺そうという小細工なしのド真ん中ストレート。誰がどう見ても手垢まみれの量産型ストーリーラインである。「西部」とか「ウィンチェスター」とか「コルト」とかいうワードを聞いたら犬のように小便を漏らして喜びます!という高潔な魂を持つ人類ならば本作を買って損は無いだろう。
本作が一般人にとってのあくび誘発装置でしかない理由としては、その緊張感の無さとスローテンポに全ての原因を求めることができる。パッケージに写る、よく見れば微妙に腰回りに肉がついていてマッチョと呼ぶには少々物足りない半端オヤジが紡ぐウォーキングタイムを概観しよう。
娘がさらわれます。森を歩きます。娘を取り返します。森を歩きます。SEXをします。森を歩きます。虎が出てきます。森を歩きます。ヤクザが出てきます。森を歩きます。銃を撃ちます。
タラタラと弛緩した流れのタイムイズマネー。本作の上映時間は100分と、この手の映画にしては長い方であるが、私の体感としては80分で十分撮れたのでは?といったところである。20分間が死んでいる。小学生なら校庭でサッカーを始めるレベルの時間である。これを魂のぜい肉と呼ばずして何と呼ぶのか。
パッケージ裏に本作を評した3行の短文が載っていたのが気にかかった。『Screen』(ありきたりな名前すぎてきょうびどこの何の媒体なのか不明なのが笑えるポイントである)の評として掲載された3行を以下に記載し、私の感想と照らし合わせてみたい。
- クラシックなウェスタン映画を彷彿とさせる
←そうだねプロテインだね
- 見事なガンアクションと
←ガンアクションしてないじゃん。普通に猟銃撃ってただけじゃん。
- 合間に登場する虎が映画に魅力を与えている
←意味不明
映画の合間に動物を出せば魅力がアップってホワイジャパニーズピーポー。視聴率日照りのテレビディレクターが犬猫とラーメン特集やるのと同レベルではありませんか。いくらクソ映画業界がその名の通りクソだからといって、いくらその業界を見つめる者達(筆者含む)の知的水準が低いからといって、これはあまりにも酷すぎる。自分の書いた文章を除けば、この感想文は近年稀にみるキセキの駄文である。そんなに虎が好きならば虎に食われて昇天すればよろしいのではと提言し筆を置く。
総合評価・星2つ(500円の価値無)
★★☆☆☆
以上