ワンコイン・ムービ-レビュー

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クィーン・ビースト ~美しき捕食獣~

あらすじ

「映画はコンセントレーションですよ(適当)」

 

 オオカミ人間ならぬハイエナ人間が田舎町で人を襲ってくるからハンターが反撃するという、脳を使う余地が1mmも無い模範的低予算低知能映画の1つに数えられる本作だが、意外にも序盤のつくりはそれなりに丁寧だった。適度に動いて間合いを取るカメラからは特に努力の形跡を認めることができると感じた。審美眼を持つ人間は別としても、私と同等の馬鹿豚ポップコーンのおもちゃぐらいにはなるかもなと感じたのも束の間、本作の努力とやらは開幕20分程度で失速し、残る1時間ちょいを慣性で進んでいく。「電車でGo!か貴様は」と本作製作陣に吐き捨てた私を誰が責められるだろうか。

 

 黒人の半分ラリったジジイと家族をハイエナ人間に殺されたオッサンがツーマンセルでハイエナ人間にライフルを撃つというだけの本作。語り部はジジイ。彼はエースコンバットZEROのオープニングみたいに「アイツはいい奴だった」とニタニタする。ハイエナ人間との戦いの果てにオッサンが死んでジジイは生き残るんだろうなとの判断材料を惜しみなく提供するその弛緩したストーリーテリングは壊滅的である。

 

 オッサンは前述した通り妻と子供をハイエナ人間に殺害されており、その仇を討つために銃を手に取った。その戦いの合間に彼は1人の女性と出会い同衾する。実はその女はハイエナ人間だったりもするのだがそれは別にどうでもいい。気になるのは、私が潔癖すぎるのだろうか、自分の女を殺され復讐に燃える男があっさり別の女を見つけてベッドでイチャイチャという流れに嫌悪感しかない。到底首肯しかねる。愛のために戦うのならその愛に殉じるべきではないだろうか。あるいはその愛を背に前を向いて生きるというのならそれなりの表現というものが必要であるはずだ。それなのに本作ではオッサンとハイエナ女がフィーリングで付き合う。現実世界での交際なんてそんなものだろと思う方もいるだろうが、忘れてやしませんか。映画の本質はフィクションじゃないですか奥さん。

 

 私の映画恋愛潔癖症という偏執を抜きにしても、開幕20分すぎから崩壊した本作の集中力。セットアップ・カメラ・運動・キャラクター等様々な要素について評価ないし擁護できるポイントを探すことはサハラ砂漠に落としたきなこ餅を探すより難しいだろう。

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

 

以上