ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

グラディエーター・バイオレット

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あらすじ

「このキチガイは出来損ないだ。食べられないよ。」

 

 ケンタッキー州のバグった一族が女を拉致して戦わせ、勝った方をレイプして子どもを産ませて一族繁栄を狙う!人類社会において最も許しがたい犯罪であるレイプを軸にマジキチ一族の栄耀と崩壊を描く本作は、作品を貫く義務を背負った「キチガイ」という戦力の不徹底さによって、ゴミ映画へと仕上がっている。

 

 まずは本作における「レイプの描写ショボすぎ問題」を挙げよう。本ブログで折に触れて主張しているが、殺人ですら、私は肯定の余地があると考えている。しかしレイプには情状酌量の余地はない。すなわち極悪度においてはレイプ>殺人の図式がなりたつことは、本ブログのコアユーザーならば自明である。そのレイプがショボい。

 

 ベッドで縛られた女がウーウーと悲鳴を上げる。そこにたるんだ体の半裸のオッサンがあらわれて汚いシャツを脱ぎ決め台詞を吐く。「さあ、繁殖期だ!」。これが全てである。

 

 笑かすなボケコラと腹を抱えた私を誰が責められるだろうか。この世で最も愚劣な犯罪であるレイプ、そのシーンを一瞬でギャグに変えるその手腕は本作からキチゲを減殺し、代わりに低能の烙印を押すことに成功している。

 

 前述した通りキチガイ一族のボスは「戦いで勝った方をレイプする」という主義を持っている。しかし彼は突然「好みの女が見つかったから戦い関係なくレイプする」とほざきだす。ここにスジを通さないキチガイ爆誕した。

 

 アナルファックにも程がある。例えその行動原理が世に理解できない偏執だとしても、そこに狂気じみたある種の哲学を内包するからこそ、キチガイキチガイ足りえるのではないか?端的に言えばスジを持たないキチガイキチガイではなくただのバカなのである。

 

 逃げ出した女たちを弓やこん棒で武装した男たちが追う!その状況で、ボスは音速で息切れをおこし走行を諦めかけるも部下に励まされてまた走り出すという微笑ましいシーンがある。陸上部に入った初日、先輩に励まされながら100mダッシュ5本に挑む女子中学生の様なオッサン。それを見てどのような感情があふれ出てくるかは読者諸氏の良心にまかせたい。

 

 マジキチが暴れるどころか、ただの冴えない馬鹿がキチゲを下げるだけの映画。どこにもキチガイがいない。現実では喜ぶべきことだがフィクションではショックである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上