ワンコイン・ムービ-レビュー

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ハイブリッド

あらすじ

「正々堂々なれど浅慮」

 

 車型の捕食生物が人間を食べるぜ!なんやねんその捕食生物って、という疑問に対し本作は「深海に棲むイカはヤバイ能力を持っていてうんたらかんたら」と説明台詞を展開、ひろゆきレベルの論点ずらしによる詭弁論理学により正々堂々とフィクションを成立させる剛腕小沢ぶりを見せつける。

 

 パニック障害を持病に持つ女性整備士が真っ先に異変に気付くも、周囲からは「お前はパニックやから・・・」と取り合ってもらえない。ならばここから偏見をはねのけ孤軍奮闘するヒロインの姿を想像したのは犯罪的行為だろうか。実際はモンスターの存在は秒速で明らかになり、異常事態を共有した登場人物が連帯して事に当たる。

 

 パニック障害の設定いらないじゃねえか!障害を雑に扱うな!

 

 その後はオッサンが車に食われて死んだり、オッサンが車に食われて死んだり、オッサンが車に食われて死んだりするバラエティ―豊富なシーンがお茶の間を爆笑の渦に巻き込んでゆく。

 

 最大の笑いどころは会計係のビッチが火炎瓶でモンスターに抵抗するも、それが跳弾して自爆・焼死するシーンである。同じ攻撃ミス自爆シーンでも例えば『プライベート・ライアン』終盤でティーガーⅠ重戦車を粘着爆弾で攻撃しようとするも失敗してしまうシーン、この緊張感とカメラワークを本作と比較することは不敬罪の構成要件を満たすだろう。

 

 その後はなんかよくわからん内にモンスターがマンモス狩りの落とし穴的なところに落っこちてスクラップに。生き残ったオッサンがマスコミにネタを提供しようと携帯電話をいじくっていたら新手のモンスター3匹に囲まれてホーリーシットである。

 

 正直この手のモンスターパニックとしては及第点だと思わないわけではない。深海のイカがどうたらいう伏線をつかった擬態攻撃やバイクとのカーチェイス、閉所での攻防と、かみ殺すアクビは最小限で済んだような気がする。

 

 ただ一点、先にも述べたことだし私が細かすぎるのかもしれないが、キャラ付けやストーリーラインに全く影響を及ぼさないにもかかわらず適当なノリで障害をイジってなあなあで終わらすという手法には閉口せざるを得ない。よって星を1つ減らした評価として筆を置く。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上