ワンコイン・ムービ-レビュー

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セマ・ザ・ウォリアー

あらすじ

「サンキュー暴れん坊将軍、フォーエヴァ暴れん坊将軍

 

 

 アユタヤ軍とホンサワディー軍とかいう勢力が現在のタイの辺りでボコり合うという本作の美点はアユタヤ軍の兜である。それは世界大戦時のイギリス軍とナム戦時の北ベトナム軍のヘルメットを足して2で割ったような感じでいいなあと思いました。それだけである。

 

 鍛冶屋の息子として日々ハンマーを振るう主人公は「アユタヤ軍に入って戦争がしてえよお」と夢見るロマンティックな乙女である。そんな彼は「ボクは剣術が上手いんだ」と調子をこいて貴族の娘といい感じになったり軍のオフィサーに嫌われて戦象の世話係をやらされたりする。

 

 展開される圧巻のバトルシーン。固定されたカメラがロングショットで射程に捉えるのは何かワーワー叫んでるエキストラ。特に技術的に評価する点は見当たらない。そんな中主人公は「オッス!オラ象の世話係!将軍と一騎打ちしてえぞ!」と果敢に突撃するもホンサワディー軍のオッサン達から「黙れ下郎」的に扱われてしょんぼりする。

 

 しかしここで回天の秘策が!アユタヤ軍のオッサンが主人公を一時的に昇進させたのだ。これが足高の制か、と感銘を受けた刹那、主人公は将軍と一騎打ちしてYou Win、戦いはこれからも続く、でフィナーレである。

 

 本作においてはキャラ付けやストーリー構成など、できるだけ心を砕こうと努めた形跡を認めることができる。しかし残念ながら、それら要素が連環せず各個撃破されているイメージがある。端的に言えば熱意が空回りしている作品である。

 

 単なるゴミではないが優れているとも言い難い本作は万人受けする作品ではないだろう。この記事を読んでいる貴方が享保の改革フェチならワンチャンあるかもしれないが。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上