あらすじ
「こういう作品がバニッシュされてほしい」
むかしむかし、あるオッサンが16人をブッ殺した、いわくつきの工場へ、その謎を解き明かすべくテレビクルーが乗り込む!彼らは事件解明のために一体何を行うのだろうか?それはもちろん悪魔降霊の儀式である。この業界の自由度が高いことは良いことだと考えてはいるが、高ければいいというものでもないよなと感じたことは否定できない。
とにかくクルーのオッサン(ハゲ)がSMプレイで使う赤いロウソクを持って般若波羅蜜多の出来損ないみてえな呪文を呟くと、マッハのテンポで次々とクルーのオッサンやオバハンが血塗れの悪魔になってしまった!情緒も風情もクソもない唐突なこの展開は、誰がどう見てもポルノ界の名作『出会って〇秒で合体』シリーズのオマージュであることは自明であると考えられないこともないこともない。
その後の本作の展開は、生き残ったカメラマンのオッサンが握りしめる手ブレカメラにより提供されるPOVである。その内容は、手ブレで揺れる画面を見ながらオッサンの喘ぎ声を聞く、それ以上でもそれ以下でもない。心の中の寛容主義者を総動員して最大限好意的に捉えれば、本作の喘ぎ声は小林源文マンガで兵隊が口にする「HER HER」の呼吸音であり、戦争の悲惨さと緊張感を表現しているのではと考えたものの、そもそも考えるまでもなく本作は戦争映画じゃねえだろと思いなおした私のこの思考実験が憐れな道化のそれであることは言うまでもない。
最後は何故かSWATが突入してきて終わりである。ちなみに武装はSPAS12。かっこいいなとおもいました。
本作の様な映像を撮影しようと思えば、どこかの空き家でハアハア言いながら適当にカメラをブン回したり落としたりすればOKである。しかしそれだけの労力に見合う価値が本作にあるかと言われれば私は満面の笑みでZEROと答えるだろう。
こんなオッサンのハアハア吐息音声集を見るぐらいなら、AV男優のクロースアップを眺めている方が男優の表情に変化がある分まだマシである。2024年のシメがこんなエロビデオ未満のゴミクズ映像集になるなどとは誰が予想しただろうか。来年はもっと映画を観る気力が湧きますようにと悪魔に祈って筆を置く。
総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆
以上