ワンコイン・ムービ-レビュー

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RECON 2023 砂漠モンスターズ襲来

あらすじ

「ウォーキング淫夢

 

 遠くない近未来。地球人はマ・ハール星人と交戦状態に突入。マ・ハール星人の投入した悪夢兵器により地球軍は大損害を被っていた。その悪夢兵器のもたらす効果は甚大で、例えばある女性兵士は元カレの夢をみてうなされたり、ある男性兵士は映画のヒーローになって活躍して美女と交尾する夢を見てウハウハしたりする(ちなみにその美女の乳はシリコンである)。そのどれもこれもが目が覚めた瞬間に「あー、夢か」の一言で終わりそうな効果しか発揮していないという事実が、この兵器の戦略的価値を一層高みへ押し上げている。

 

 とりあえずこの悪夢兵器がヤベえという認識の下、地球軍はそれを破壊するべく歩兵1個分隊程度の大兵力を敵地奥深くへ投入する。彼らは精鋭の名に相応しい練度の高さでおしゃべりをする。「俺は元産婦人科医だったんだが、マンコとケツの穴を間違える医療ミスを犯したんだ」とベテラン兵が発言すれば、新兵はそれに応じて「俺は童貞じゃない!」と力説する。実に微笑ましい光景。軍隊とはかくあるべきであるという理想像である。

 

 かつてベトナム戦争時に、オーストラリアSASが米軍のフォース・リーコンを「移動中の口数が多すぎる」と評したらしい。しかし人間が社会的な動物であり集団の中で生活する生き物である以上おしゃべりというものはとても大事な要素である。よって間違っているのはオーストラリアSASであり、我々はこの映画を見習って、ケツの穴から出産できるよう肉体改造に励むべきであることは自明である。

 

 道中ではニワトリに毛が生えた様なチンケな着ぐるみが突撃してきたかと思ったら崖から投身自殺してフライドチキンになったり、上述のベテラン兵士が女性型アンドロイド兵士にセクハラをしたりする、誰も得をしない時間稼ぎのシーンがモニターを流れていく。

 

 そしていよいよ、マ・ハール星人との戦い。近未来という設定のはずなのに何故かTAR-21を装備した地球軍は、杖の先に斧をくくりつけた様な武器で万歳突撃をしかけてくるマ・ハール星人を撃ちまくる。どこぞの帝国陸軍みたいな自殺行為を宇宙戦争と言い張る本作の面の皮の厚さは数十年前に流行ったギャルの厚底ブーツ並みである。

 

 なんやかんやで悪夢兵器に爆弾を仕掛けてドカーン。物語は続く、で本作はジ・エンドである。なぜこの手の映画は続かなくていい物語を無理に続かせようとするのだろうか。

 

 本作の上映時間は101分。ここまで述べたように本作を構成するエレメントには評価に値するものは1つも無く、なんなら私は開始38分間で寝落ちしていた。ちなみに公務で小学校の運動会に来賓参加した際、私は直射日光の中パイプ椅子に4時間座っていたが寝ることはなかった。よって本作を運動絵画や映像芸術と呼ぶことは他の頑張っている作品に対する侮辱以外の何物でもなく、本作は児童のお遊戯をはるかに下回る練度しか保有していない産業廃棄物としか評価できない。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上