ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

エリート・スナイパー

f:id:public-technocut:20210103204132j:plain

あらすじ

「エイリアンを出す意味は全く見いだせない」

 

 時は近未来。人類とエイリアンはファースト・コンタクトを実現した。しかし「地球人と接触したらフィジカルがバグった」というエイリアンの主張に基づき無事戦争が始まる。なお何故舞台をエイリアンの母星に設定したのかという趣旨は特に読み取れなかった。エイリアンにしろ、特に何かのメタファーやらになっているわけではない。本作はオッサンが狙撃銃を撃ちまくるだけの頭の悪い作品である。

 

 本作が訴えたかったのは現場の兵士の苦しみであったような気が微塵ぐらいはする。それは戦場はるか上空で宇宙ステーションのイスを尻で磨く上司に表れているのではないか。彼は説明台詞の朗読により作品に茶番という名の芳香剤を流し込む。もちろん彼は主人公を助けない。

 

 主人公とヒロインは心を通わせる。「なぜ憎しみ無く戦わなくてはならないんだ・・・」とは主人公の吐息だが、そうやって厭戦ムードを漂わせるくせに本作は矛盾する追加要素をアンロックする。曰く「主人公は身ごもった妻を爆殺されている」とか「エイリアンは地球人と相いれない価値観(奴隷制)を持っている」といった具合である。厭戦と好戦を矛と盾のごとくひさぐその様は言うまでもないだろう。これは「ブレーキとアクセルは同時に踏むこともあるのだろう」と豪語した菅義偉日本国内閣総理大臣の言論を正当化するための連邦憲法擁護庁である。

 

 戦いたくないと言いながら戦うべき理由を逐次実装していくその様は集金モードにシフトしたソシャゲの運営の様で実に衰退期である。

 

 主人公の使う銃については一定の評価を与えておきたい。それはデザート迷彩が施されたH&K SL-9。サブウェポンはグロックのハンドガンである。

 

 一方でエイリアンの使う銃が思いっきり地球製のTAR-21であった所には苦言を呈したい。なぜ現用銃を、エイリアンサイドで、採用したのか。作風をSFにした意味は一体どこにあったのか。

 

 「戦う以外に道は無いの・・・?」これは作中ヒロインの嘆きである。しかし、かようにほざきながら、本作は結局悪役を銃で射殺してハッピーエンドというロクでもない作品であった。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上