ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

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あらすじ

グルジア映画ということでジャケ買いした」

 

 極大偏差値生命体であるパーリーピーポーがサウナに閉じ込められて「体の全部がホットホット!」と叫ぶ本作はグルジア藤井隆である。藤井隆の名誉のために断っておくが本作が視聴者に提供できる笑いは彼の万分の一あるか怪しいところである。

 

 本作のストーリーラインはこうだ。婚約者を失い精神を病んだ女友達を慰めるため湖畔でパーリーピーポーが計画される。彼らは酒を飲みながらサウナと零下の湖を往復する勤行を繰り返しスポーツ科学の知識を見せつける。やがてメンバーの一人が飲みすぎでフラフラに。彼は気づかぬまま仲間が入ったままのサウナをロックしたあげく、マリファナでヘヴンへと旅立つ。

 

 サウナに残された面々は暑さでバグっていく。パリピ女は女友達に対して「メンヘラァ!手前に未来はねェ!(ドン!!)」と尾田栄一郎ばりの啖呵を切り、「ダメもとでなんぼじゃぁ!」と叫び制御回路を破壊する。すると無事サウナの温度が約1.5倍に上昇。冷静を保っていたパリピ男は微笑むデブと化しヒーターに突撃、全身にやけどを負い無事自爆する。その様は実にフルメタル・ジャケットであった。ラストでは何とかサウナのロックが解除され生き残りが助かる。別に助からなくてもいいのに。

 

 本作から読み取れる内容はただ1つ。「マリファナはやめましょう!」である。中高生向けの反薬物啓蒙運動に本作をねじ込むことは日本とグルジアの友好の懸け橋になるのではないかと一瞬思ったが考え直した。幼稚園で教育を修了した程度の知能があれば本作に登場するグルジア野郎がアナルファックのような低能であることは一目瞭然。ならば、本作はグルジアへの熱いヘイトスピーチの嚆矢と化す危険性が有る。

 

 「サウナの温度が熱ぅい!」や「ヒーターのガスが充満してヤベェ!」といったシーンが、特に前者が本作の中心を占める。「温度」「ガス」、これらは言うまでもなく目に見えない。色もなく動きもないこれらをどのように表現するかについて本作が頭を使った形跡は見当たらない。役者が「オーマイガー」とか言いながら泣きわめく、ただそれだけで90分間の上映時間を押しきろうとする様を見ていると「映画は運動である」という格言がイキイキと脳裏を疾走していった。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上