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インデペンデンス・デイ2017

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あらすじ

「他者基準より自分基準」

 

 宇宙から飛来したドローンの攻撃によって地球はオーマイガッデムになってしまった。しかし地球人は死滅していなかった!「ホーネット」というコードネームのシンクタンクの指揮のもとで軍の残存戦力は抵抗を続ける。

 

 主人公のオッサンの面構えには好感が持てた。ジローラモからいやらしさを除去して目つきを悪くしたようなその顔はなかなか武骨である。彼はエイリアンの襲撃で恋人を失い、そのことから物資回収や人命救助などの利他的行動をとるようになったという設定なのだが、この設定はやや説得力に欠ける。因果関係に係る描写のインパクトあるいは描写不足がその原因であると愚考する。

 

 きれいなジローラモが振り回す決戦礼装は試製レーザーガンである。その造形は『ディノクライシス2』に出てくるチェーンマインをプラスチックで成形しプレス機でぺちゃんこにした感じである。正直ダサい。しかもその威力はドラえもんで例えるならばショックガンであり、敵を短時間麻痺させ時間を稼ぐというその運用からはカタルシスを見出すことはできない。

 

 主人公は「ホーネット」と協力して敵のドローンに戦いを挑む。その戦術は宅配ピザに毛が生えたような造形の爆弾を“地上”に設置して“空中”に浮かぶドローンを爆破するというアウトレンジ戦法である。理解に苦しまざるを得ないその非合理的な長射程攻撃から99式短小銃に装備された対空照準器と同じ思想を感じ取った私の感覚はセンシティブにすぎるのだろうか。

 

 きれいなジローラモの前に立ちはだかる敵。それはドローンだけではない。脱走兵を組織化して野盗として活動する脇の臭そうなオッサンがそれである。彼は言う。「ホーネットが俺を認めないのはおかしい!俺がナンバーワンだと、認めさせてやる!」

 

 崩壊した社会で野党として刃を振るう戦士が、寄る辺なく無頼として己の力で立脚すべき戦力が、ヤンデレの様に自己承認欲求をむき出しにして襲い掛かるという矛盾。

 

 他者からの評価を気にしていてはとても生きてはいけない。ならば他者基準からインデペンデンスして自分基準で道を切り開けというメッセージ。それが本作の隠しメッセージではないか。そんな考えが数秒脳内を遊泳したが、刹那、牽強付会というカウンタースナイプが飛翔したことは言うまでもない。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上