あらすじ
「(人)肉おいしいねん!」
主人公であるボンビーガールの下に突如リゾート旅行への招待状が届く。「貴様は当選した」とのたまうそれに対して彼女は「応募してないのに当選するなんてマジでチョベリグ」と言い残し旅支度をする。「怪しむ」という感情を母の胎内に捨ててきたと思われるそのピーキーな脳の性能は、彼女が人類の一員であることを疑わせるに十分である。
行先のホテルでは読書家とモデル、2人の女子が先客として滞在していた。ホストファミリーのジジイとババアは2人してつまらない話題を十字砲火して彼女たちを苦しめる。そのあげくカロリーオーバーの食料物資を多量投入。問答無用で「食え」と迫るその姿はなかなかに憎たらしい。
唯一マトモに思えたジジババの孫も実際は不安定であることが露呈する。どうやら彼はジジババからマインドコントロールを受けているようで、自分の意思で行動ができないのだ。そんな彼は主人公と海辺で釣りをする。釣り上げた獲物はサメ。すると突如彼は「シャアアアク!シャアアアク!」と叫びながらサメを岩に打ち付けて撲殺する。本作屈指の意味不明失笑シーンである。
やがて読書家とモデルがブチ殺されて生首となって再登板する。そこでようやく主人公は「この旅はヤバい」と気づく。そんなことは開幕冒頭3分間で気づくべきだと彼女を責めるのは酷なのかもしれない。それはそうとて彼女は逃走を開始する。
刃物を持ったジジババが主人公に迫る中、なんやかんやで孫が主人公の仲間に転職する。そしてジジババは仲良く生首と化し、主人公と孫は結ばれてハッピーエンドである。
マインドコントロールによって弱体化した孫と、元から頭の弱い主人公が団結してボスを倒す弱者結束ムービーとして本作を捉えることは贔屓目にすぎるだろう。変態のジジババが襲ってくる、本作はそれ以上でもそれ以下でもない。
本作パッケージ裏にはこう書いてある。「一見、スプラッター・ホラー風でありながら、残酷シーンを適度に心理描写に置き換えた事により、誰でも見れるA級ホラーに仕上がっている」と。
しかしながら本作で人間心理を描写したシーンを私は思い出すことができない。A級どころか、本作はどこからどうみても純粋なZ級映画のカマラードである。
総合評価・星2つ(500円の価値無)
★★☆☆☆
以上