ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ジュラシック・ユニバース ~ダーク・キングダム~

あらすじ

「10キル、ノーダメージで6,000クレジット!(ラプトルの場合)」

 

 低品質CGの恐竜がオッサン達を咬んでいくという本作はどこに出しても恥ずかしくない量産型のゴミである。「恐竜」というワードに係る情動・義務感と呼べるような何かを保有していない限り、善良な人民が本作を手に取る意味は全く無いだろう。

 

 「恐竜の体内で人間の臓器を育てて移植医療業界で大儲けするっぺ」というお前もうそれ何番煎じだよというユニークなストーリーラインが見る者を期待感で包み込む。なお登場する恐竜は胴体のお腹部分だけがやたら膨らんだダチョウ体形である。恐竜どころかトカゲですらないその下腹飛び出し中年オヤジスタイルは恐竜に対するロマンを粉砕して余りある。

 

 恐竜の名前はもちろん「ゴジラサウルス」である。誰がどう見てもラテン語由来としか思えないその格調高き荘厳なネーミングセンスからにじみ出る修辞学の残影を否定できる地球市民は存在しないであろう。

 

 この恐竜は企業が地下に設立した「トライアシック・ワールド」で飼育されている。そう、トライアシック。ジュラシックではなくトライアシックである。本作は『ジュラシック・ワールド』のパクリでありながらジュラシックではないというコペルニクス的転回を視聴者に披露する。「お前もう変にパクるぐらいなら普通にオリジナルの三畳紀アクション作ったほうが良かったんじゃねえの」などと言ってはいけないのは自明である。

 

 ダチョウ型のクソCGがオッサンを咬んだり、ダチョウ型のクソCGがオバハンを咬んだりする豊富なラインナップを誇る本作のストーリーラインの中で一考に値するのは、ある1人のメガネボーイである。彼は恋人を殺されてメンタルがオーバーブーストした結果、近所の親父が日曜大工で使うような電動ドリルを両手に持って恐竜に特攻して勝ち星をあげる。

 

 普通に考えればただの失笑シーンにすぎないのだが私の感想は違う。思い出してほしい。初代プレステの傑作『ディノクライシス2』を。その終盤ステージ(壊滅したエドワードシティ)では、弾薬を使い果たした陸軍兵士がハンマーなどの工具まで持ち出し最後の瞬間まで恐竜相手に戦い抜いた描写があったことを。もちろん本作と『ディノクライシス2』の間には何の関連性も無いだろうが、それでも本作は私に「『ディノクライシス2』は神」と供述する機会をくれた。だからどうしたと言われれば何も言い返せないし、特に本作に感謝する気も無いが、とにかく機会があったら『ディノクライシス2』はプレイしてほしい。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上