ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ロボドッグ

あらすじ

「アイボが頑張る」

 

 冴えないキモオタのガキが未来から来たロボットと一緒に冴えないキモオタのおっさんをボコるという本作は、多方面に配慮した安全設計の、直截的に言えば尖ったところが全くない、「児童向け作品」というエクスキューズで偽装した視聴覚迷彩である。

 

 社交性を欠くガキの下に都合よく現れる快活なお助けロボやヒロイン。悪役というよりはアホという形容がピッタリなマヌケ親父。登場する警察官は装備する拳銃を決して使わない。ガキ向け茶番ムービーとして成り立つ要素を最低限装備して市場に流して60点を取ろう!と画策して実際に60点は取れているという本作。見ていても特に褒める点も無ければ貶す点も無い退屈極まりない逸品である。

 

 良い作品か、悪い作品か、と聞かれれば「どちらでもない」と答えられるし、好きな作品か、嫌いな作品か、と聞かれれば「好きではない」と答えられる。クソ映画界の中から碩学の鉄槌を掘り出さんとする、あるいは突き抜けたゴミクズに正気を失わんと企図する本ブログにとって本作は鬼門であるといえる。前述のとおり本作は何らかの魂を持っているわけではない。しかし娯楽作品として割り切った作品作りは、中央値を狙ってヒットを打つことには成功している。

 

 人によっては本作に及第点を与えることもあるだろうが、私の様に根性がねじ曲がったアナルファッカーにとって、本作91分間は単調なアクビ製造期以外の何物でもなかった。ガキ向けだろうが何だろうが何らかの軸・信念・魂というものは必要不可欠である。「安定設計で60点!」などという思考は市場経済主義に鼻まで浸かった敗北主義者が奏でる混声合唱でしかなく、そこから何らかの美徳を見出すことができるならば、そいつはノーベル平和賞を受賞するだろう。

 

 ガキをダシにするな。ガキを言い訳にするな。現場からは以上です。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上