ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

バイオ・クライシス ー人類最後の敵ー

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あらすじ

「配給をギロチンへ送れ」

 

 最終戦争後、細菌兵器の影響によりゾンビと化した人類が跋扈する世界。わずかな生き残りたちは地下のシェルターで細々と露命を繋いでいた。乏しい物資にもかかわらず協働して暮らす仲間たち。しかし度重なるゾンビとの戦闘で死者は漸増するばかり。一か八かの攻性防御作戦は失敗し、最後の生き残りは一か八かで地上に脱出する。もちろん地上はゾンビの巣窟。殺されるまでの数分間、ジジイはガキを抱き寄せて謝る。こんな世界しかあげられなくてごめん、と。

 

 本作にはサーフィンの様な起承転結は存在しない。ただ見たまま、人々がじわじわと破滅へと向かう道程の空気を味わう雰囲気系映画である。モデルガンとカンパンを引っ張り出してきてソファに寝ころんで「こいつがラストの食料か・・・」とかほざきながら視聴するとより楽しめるだろう。ラストの「本作の舞台は地球ではなく実は月面基地だったんだよHAHAHA」というだからどうしたとしか言いようがないどうでもいいオチだけが蛇足である。まあ本作は500円で92分間退廃的にウェイウェイできる害のない作品であり、本作をギロチンに送る理由を見つけることはできないだろう。

 

 ところで配給は死ぬべきである。「扉の向こうに蠢く怪物たちを駆逐し、生き残りに必要な物資を手に入れろ!アクションゲームを彷彿とさせる圧倒的おもしろさ!」「近未来アクション大作!」「星間移動」「宇宙船」上記は本作のパッケージに躍る三文コピーである。もちろん1つとして真実は存在しない。

 

 株式会社トランスフォーマーとかいう会社のライターどもは眼病を患っているのだろうか?それとも同時に3作品を8倍速で流し視聴しているのだろうか?彼らがどれだけの特権階級なのかは知らないが、胸を張ってゴミをゴミだと宣言できるのはそのゴミときちんと向き合った人間だけのはずではないか。本当に作品を見たならば決して書けないような名コピーを金魚の下痢便のように垂れ流して食う飯はさぞかしおいしいのだろうが、見てもいないのにまるで見てきたかのような臨場記事を垂れ流すのはTwitterと同レベルである。

 

 適当なコピーじゃないよ!煽って視聴者を盛り上げてるんだよ!という想定も可能だが、それなら余計にファッキンクライストである。ひろゆきが例として挙げられるような炎上マーケティング、その底の浅さは暗黙知として皆理解している。市民はバカではない。忘れてはならない、貴様が市民をバカにするとき、市民も貴様をバカにしているのだ。わかったら社会のために映画を見てちゃんとコピーを書きましょうね。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上