ワンコイン・ムービ-レビュー

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アンダー・ザ・プラネット

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あらすじ

「地底探検車~ ←軍用」

 

 環太平洋造山帯が噴火して地球がヤバいという本作。どうでもいいが「環太平洋造山帯」という単語を中学1年生で習ったなあという記憶が頭をよぎった。やはり日本の教育は間違っていなかった。クソ映画を見るための前提知識を養うために、義務教育は存在していたのだと確信せざるを得ないその事実から目を背けることはできない。

 

 「地下にヒロシマ型の4000倍の威力を持つ核爆弾をブチ込めばなんとかなるんじゃね」という、偏差値換算で35程度の神々しい作戦が立案される。火災現場に火炎瓶を投げ込めば鎮火できると言うに等しいこの作戦に異を唱えるものは当然いなかった。

 

 地下に行くために登場するマシーンは、軍の資金援助で作られたドリルモグラである。なお開発を主導した学者はドリルモグラ関連の研究成果が軍事利用されていることについて唐突に憤激する。その怒りは唐突ながら、ドリルモグラの開発経緯については一応の描写がなされていた。学者は軍をパトロンとして軍から資金を引き出してドリルモグラを開発していたのだ。援助する側に得があるから援助するという10代の少年でも理解できることを学者が理解していないという状況はあまりにも憐れである。ちなみにこの学者はタイマーが壊れた核爆弾を起動するため1人現地に残って自爆するというバカにふさわしい役目を与えられ無事死亡した。その最後は実にI Don't Wanna Miss a Thingである。

 

 本作では官僚のババアと黒人のハゲ将軍を対置して「軍は悪党」という構図にもっていこうとした形跡が認められる。しかし本作は肝心の軍の悪行とやらがマトモに描写されないという堅実設計を誇っている。まさか軍事利用の件だけで軍をこの世全ての悪呼ばわりするのかと思っていたら唐突にハゲ将軍が「学者を殺せ」指令を出す。もちろん学者を殺して何の意味があるのかについての描写はゼロである。

 

 核爆弾によって救われた地球、そのラストでは官僚のババアが脈絡もなく「これは人災です」と宣言してハッピーエンドである。それともあれか、地震速報がテレビを彩るたびに「地震津波は米軍の開発した地震兵器による人災!」と呟くネット住民の主張に確固たる拠点を与えようというのか。だとすれば本作は恐るべき戦略情報兵器である。

 

 「地球が溶ける」とは本作のキャッチコピーであるが、溶けているのは製作陣の脳みそ以外ありえない。そう断言できる程度には、本作はゴミである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上