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パペット・マスター 悪魔の人形伝説

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あらすじ

「ブサイクな人形がバグる」

 

 昔々あるところに人形師のおっちゃんがいました。おっちゃんは何かよくわからん秘術をつかって、自分の意思で動く人形をつくりました。おっちゃんは秘術を濫用することはせず、夫婦で子供向けの小さな人形劇劇場を経営して生計を立てていました。ある日おっちゃんは、ボヘミアの伍長をネタにした劇を催して笑いをとりましたが、その話を聞きつけたナチスという人権団体がやってきて奥さんを射殺してくれました。

 

 ここで人形師はブチ切れる。復讐の鬼と化した彼は、それまで使っていなかった人形たちの戦闘能力をフルで対人用に使用。拳銃連射で敵兵をハチの巣にし、ドリルで身体内をえぐり、小型ナイフで顔面をズタズタに切り裂くなど様々な手法を用いてナチスのオッサン共を次々と血だまりに沈めていく。ここまではよかったのだ、ここまでは。

 

 戦後、何の脈絡も無く人形達の行動は国民公会における平原派のごとくふらつきだす。レイプ未遂犯のチンポをドリルで去勢する活躍を見せたかと思えば、次の瞬間には無実の男女を虐殺したり、他人の家に不法侵入して、そこで寝ているだけのクレアおばさんみたいなデブを焼き殺したりする。あげくいきなり「映画用に作られたコンピュータ制御のロボットがあばれだした」という唐突にも程がある適当な説明が十数秒で行われ、人形達はそのロボットとデュエルを始める。ラストは人形師をブチ殺してENDである。

 

 本作は筋立てがはっきりしていないという点が明確な弱点であろう。妻を殺された人形師がナチスと戦う復讐劇にするも良し、人形師をマッドサイエンティストにして無差別殺人を繰り返すもよし、とにかく一本筋を通してほしかった。何の説明もなされずに突如行動が変節する映像を見せられても脳はとても理解できない。

 

 また本作は、現在のシーンと過去の回想シーンの切り替えが何度も繰り返される上に、その切り替え方も下手糞すぎる。テレビのチャンネル争いの如くパッパパッパと時系列を行き来されるとこちらはたまったものではない。

 

 なお本作はホラーのわりには流血表現は抑えめになっているので、「グロければ何でも許せるわ」という寛大な層にも受けないであろう。本作にホラーを期待してはいけない。視聴後に残るのはただ虚無感のみである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上