ワンコイン・ムービ-レビュー

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新エイリアン 最終繁殖

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あらすじ

「エイリアンvs戸塚ヨットスクール

 

 山でのキャンプを通じてチンピラ高校生を更生させようとしていたらたまたま運よくエイリアンと遭遇して殺されていくでござるといった流れ作業が87分。本作第一の瑕疵は「更生プログラム」というセットアップが全く生きていない点に求められるだろう。チンピラ高校生の成長や、隠れていた長所の魅せ場といった、可塑性のある少年たちに係る表現は磯野波平の毛根の如く生い茂っている。彼らはただの散発的に投入される撒き餌としてしか機能しない。

 

 主人公が放つ護身用ショットガンの銃弾を受けたエイリアンから金属音がするのもマイナスポイントにカウントしたい。まるでロボット相手に銃を撃っているような、要するに敵に生々しさが無いのである。黒く角ばった造形がそれに拍車をかける。

 

 ショットガン。そうショットガンの使い方にも苦言を呈したい。物語序盤から、エイリアン相手にショットガンはひのきのぼうレベルの攻撃力しかもたないことが露呈する。エイリアンに効果がないそれをモニタに映し続けるのならば別の舞台装置としての機能を見出してほしかった。それすなわち「チンピラ高校生に銃を奪われたらどうしようサスペンス」である。実際作中においても筆頭チンピラ高校生が主人公に対して「お前なんて銃が無ければ怖くない」とメンチを切っていた。銃の奪取に係る伏線かなとワクワクしたのもつかの間。結局何も起きないままチンピラは死んでいた。銃を雑に扱うな!

 

 褒めるところも特にない、適当に銃を撃って適当に人が死ぬ退屈な映画ではあったが、作中終盤でババアがフォークリフトでエイリアンに特攻をかけて玉砕する無駄死にシーンで笑ってしまったことを告白して筆を置きたい。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上