ワンコイン・ムービ-レビュー

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ゾンビ・オブ・ザ・デッド 感染病棟

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あらすじ

「病棟ではない」

 

 舞台はとある研究所。もちろん病院ではない。仕事しろ配給。「死体に血清をブチ込んで死者を蘇らせよう!」。このステキな研究を主導する主役級の登場人物はガマガエルのようなデブオヤジである。

 

 どうでもいいことかもしれないが、このデブオヤジの外見が吉本新喜劇に出てくる役者(乳首を触られると「ピュッ」と呟くオッサン)によく似ていた。この冴えないデブが「研究が上手くいかないぜ」と嘆息する内にゾンビに首をちぎられて死亡するという微笑ましい90分間が本作のロードマップである。

 

 本作の骨子は致命的に破綻しているというわけではない。だがしかし全体的に非常に低品質な作りは見る者の神経を斬撃すること必至だろう。照明は昭和の浪人生の机の上でまたたく白熱灯スタンドの様に味気なく、音響は音割れがデフォルト、CGはそこらのフリーソフトで素人が作ったのかと疑うレベルである。

 

 何よりも許せないのは小道具だろう。ゾンビ鎮圧用の武装として登場したポンプアクション式ショットガン。その質感はAmazon.co.jpで5,000円も出せば買えるようなプラスチックのゴミである。あげくこの銃は変わり身の術を使う。あるシーンでショットガンを持っていた男優、その次のシーンになるとなぜか彼はボルトアクションライフルを所持していた。そしてその次のシーンになると彼はまた再びショットガンを手にしているのである。プロップガン担当はナメているのか。

 

 当ブログで何度も口を酸っぱくして言ってきたことであるが銃をナメないでいただきたい。もちろんこの意見がある1人のキモオタによる偏執的な叫びであることは否定しないし、銃をリアルにすれば良い映画になるなどとは断じて思っていない。確実に言えることは銃がゴミだと映画が安っぽくなるということだ。銃にこだわるということは作品をプラスにする努力ではない。作品にマイナスが付加されることを防ぐ努力なのだ。

 

 ま~たキモオタが喚いてるよと嘲笑する前に想像していただきたい。関ヶ原の合戦を舞台にした作品で、鉄砲足軽がフリントロックを持っていたらどう思うか?『プライベート・ライアン』のラストで、ミラー大尉がティーガー相手にM9を撃っていたらどう思うか?

 

 私は何も間違ったことは言っていない。現場からは以上です。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上