ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

プレデター2012

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あらすじ

「臭い物に蓋をする」

 

 舞台はどっかの寒そうな場所。あたり一面の雪景色の中で何かわからないどうでもいい別に知りたくもない研究をしている連中が存在する。と、そこにモンスターが急襲をかけてくる。その姿は足を生やしたアーケロン骨格標本をガラス細工で製作したような感じの北海道みやげである。そのモンスターがつららを投げつけて人間どもをカチコチにするその圧倒的な恐怖感は『星のカービィ』に匹敵するといっても過言ではないだろう。

 

 モンスターはエネルギーを吸収する性質を持っているため、外見に反して熱による攻撃が効かない。その事実が明らかになったうえで役に立たない火炎放射器を抱えて笑いながら出撃していく黒人コンビの愚かさもさることながら、「減圧室で圧力をかけてモンスターを可視化させるんだ!」と謎な科学理論をほざきつつ、自分が出力したその圧力に負けて死亡したメガネの白人にも敬意を送りたい。

 

 ラストは主人公(ほとんど目立たない)が唐突に小型のシールドマシンに乗り込み、モンスターに特攻をかける。結果、彼はモンスターともども氷山の中に生き埋めとなる。そして生き残った仲間たちが「アイツは英雄だ」と量産型の捨て台詞を残しハッピーエンドである。

 

 ちなみに主人公の先祖は過去にこのモンスターと戦ったという設定持ちで、その決着のつけ方は「木造船にモンスターをおびき寄せてダイナマイトで船を爆破・沈没させモンスターを生き埋めにする」である。世代を超えたこの生き埋めエンディングから読者諸氏は何を感じられただろうか。

 

 私の場合、それは“臭い物に蓋をする”であった。「なんかよくわからんけどヤベーやつが出てきたからとりあえず隔離して後は知らん」といった根本的解決の極致にあるこの問題先送りスタイルは我らが誇るべき旭日旗の専売特許ではなかったのだと、拡大解釈による思考実験で脳を慰めることぐらいしか、本作視聴後の虚無感を抜け出す手段は見当たらなかった。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上