ピラナコンダ
あらすじ
「CGによるオバケ屋敷」
ピラニアとアナコンダを足して2で割ったかのような巨大ヘビがハワイで人を襲う!本作は忠実である。その単純さに。本作は単純である。その忠実さゆえに。背中合わせのこの2つが螺旋を描く。その階段を上った果てに見える景色からは死臭がした。
ピラナコンダのCGはよくできている。だがそれだけである。ピラナコンダは突発的に現れ、撒き餌となるオッサンやネエチャンをパックンチョする。情緒もクソもない。散発的に投入されるそのシーンは敗残兵による絶望的な局地的反攻を思い起こさせる。
総じてキャラクターに魅力がないのもオーマイガッデムである。登場する連中はピラナコンダにビビッてギャーギャー叫ぶか、棒立ちで銃を撃つかの豊富な選択肢を与えられた生きる屍であり、到底肯定できる存在ではない。
約20分間もの間続いた死に時間にも苦言を呈したい。モブの女が水着になる→ピラナコンダ現る→キャー!パックン!という一連の流れが吉本新喜劇の様にしつこく繰り返される。その時間は視聴者の網膜を沸騰させるだろう。怒りで。
美術もハイレベルである。登場する銃器はことごとくプラとゴムの質感をムンムンさせるゴミである。私が常々言っていることだが、銃をナメるな!マトモなプロップガンを使え!銃の質感がゴミだと、映画の質が一気に下がる!具体的に言えば公園でエアガン撃ってる小学生と同レベルに。銃に凝るということは作品をプラスにするというよりも、作品がマイナスになることを防ぐということなのだ。わかったらもっとCR21を出しましょうね。
「モンスターを出しましょうね。おっぱいも出しましょうね。それでWe are the worldですね。」製作陣の脳内はおそらくこんなものだろう。しかしそんな馬鹿豚ポップコーンレベルの表現すらできていない。低予算映画なら楽勝!とナメてかかってヴェルダン要塞からの機銃掃射を受けたかのような印象を、本作からは感じ取った。購入はお勧めしない。
総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆
以上