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エイリアン vs. エイリアン インベージョン

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あらすじ

「適当に銃撃って殴り合うだけ」

 

 絶滅の危機に瀕した宇宙人がいた。彼らは植民できる無人星を探して旅を続けていた。やがて彼らは分裂する。急進派は地球人をブッ殺して地球を乗っ取ろうと主張し地球に侵攻、穏健派はそれを食い止めるべく「最強の戦士」を送り込む、というのが本作のストーリーラインである。

 

 本作のクソ袋は仰々しい設定をブチ上げた割にはそれに対応する説話がなっていないところである。急進派やら穏健派やらエイリアンやら植民やらなにかしらメタファーになっていそうなモノはことごとく張子の虎として機能するばかりだ。

 

 深読みせんでもええやん!素直にアクションを楽しもうやん!それも不可能なのが本作の懐の深さである。特に派手な技を見せるでもなく、筋肉による圧力を見せるでもなく、そこそこ鍛えたオッサンが無言で黙々と撒き餌をしばいていくフォード生産方式的なアクションはまさに職人技。1対多数のアクションも設けられてはいるがその質は自明だろう。おそらくはそれを撮るべく、射界を広くとったカメラのせっかくの努力は烏有に帰した。

 

 地球人を守るはずの主人公が地元警察のパトカーをナチュラルに奪い、あまつさえ追いかけてきた警察官に銃撃をかますシーンは本作屈指の自家撞着である。「警察無線を聞きたかった」とは主人公の弁であるが、彼はFBIの身分証を偽造するだけの技術力をもち、地元警官とも普通に捜査協力している。無線1つで、何故。

 

 なお彼は物語中盤でヒッチハイクで乗せてくれた上に晩飯をおごってくれた気のいいトラック野郎から愛車を奪おうとも企てている。善人ばかりに全方位でケンカを売っていくこのスタイル。とても見習いたいとは思えない。

 

 敵の一番偉い急進派の将軍とやらが「あばばばば」とかいってロクに威厳も出さずに死んでいった点はまあよしとしよう。問題はラスボスの女戦闘員である。かつて彼女は主人公と「強いキズナ(失笑)」で結ばれており、その影響で主人公の位置を探知できる特殊能力を持っている。このストーカー改について、本作は何も語らない。キズナって?特殊能力?すべては闇の中である。真実はいつも1つ!これは嘘だ。そもそも真実が存在しないことだってあるのである。

 

 最後に本作の評価に関係ないキモオタネチネチコーナーのお時間です。エイリアンがレストランを襲撃。使った銃はM60汎用機関銃。しかし警官は「この薬きょうは223口径だな」と発言。さあ、どこがおかしいのかな?よいこのみんなも考えてみよう!

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上