186 感染大陸
あらすじ
「疑似インタビュー」
疫病が流行した結果、生き残っている人類はたったの186人にまで減ってしまった。よし!生き残った連中とおしゃべりして記録映画を作ろう!そう、本作はオッサンたちによるインタビューごっこによってつぎはぎされたクリップ集である。
「私ははちみつを育てているの♪」「こ・づ・く・り・しましょ♥」「自転車に乗るのは楽しい」といったオッサンオバハンのクソどうでもいい感想がモニタを汚していく。78分という上映時間の短さが無ければ私の精神はより毒されていただろう。
パンデミックにより文明が崩壊しているはずなのに、彼らの清潔感は半端ない。家は埃1つなく服も汚れていない。オッサンのひげは整えられており、オバハンは眉を引きお化粧をする始末。撮影の道中、通りがかったトンネルに牛さんの絵が描いてあったのは何の意図があったのだろうか。その魂のないラスコー気取りは非常に鼻についた。
完成した映画をみんなの前で上映する、その時に撮影者のオッサンはこうのたまった。「本作に結論はない。1人1人が導き出してほしい。これはみんなの映画なんだ。」
世界観が作りこまれていないフィクションに対していったい何を考察すればいいのだろうか?それはポリバケツの生ごみをどのようにして舐めればいいのかという無価値な問答に似ている気がする。これが、私が導き出した結論である。どうですか監督?
1人生き残ったネイティブアメリカンのオッサンが伝統工芸品を作りながら「失われた時こそ再燃させる時だろう」と述べていたシーンだけはええこというやんと思ったが、それは裏を返せば78分中10秒程度しか擁護できるシーンがないという本作の愚かさを象徴しているともいえよう。
総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆
以上