ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ロボクロコ

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あらすじ

「ロボである必要性ゼロ」

 

 アメリカ軍が開発したナノマシン兵器がテーマパークのクロコダイルに寄生してロボクロコが誕生!パリピをぶち殺すぜ!というストーリーの単純さが視聴者の目を85分間楽しませない。本作は短所が長所を上回る若干残念な出来の映画である。

 

 人を襲うためにテーマパークのクロコダイルはロボと化す。ロボと化したからと言って何かが変わるわけではない。人を噛む、それだけである。そう、本作においてクロコダイルがロボになる意味は全くないのである。生身のクロコダイルじゃいかんのか?この問いに答えるだけの弁論術を本作は持っていない。ロボクロコを倒すためにEMP爆弾を使うぜというラストにしても、生身のクロコダイルに通常弾頭を使うのではだめなのですか?との蓮舫的クエスチョンに対抗できまい。

 

 登場人物の没個性も問題だ。ベテラン飼育員のオッサンと動物学者のお姉さま。この2人のメインキャラクターは特に職能を魅せることもなくプラプラウォーキングするだけであり魅力のmの字も感じられない。

 

 登場人物の中で唯一の有望株は悪役のクソババアである。この淑女は表向きはロボクロコ捕獲を謳いつつ裏ではロボクロコを泳がせて戦闘データを収集するというバイオハザードみてえなババアである。犠牲になった民間人や軍人に「心からお悔やみ申し上げるわ」とほざきつつ手元の小型端末でロボクロコを操作し人々を血祭りにあげていくその姿はアンブリッジ先生もびっくりだ。

 

 しかしこのババアの残念ポイントはその所作の不自然さだ。彼女は周囲から隠れて極秘任務としてロボクロコを操作しているという設定である。しかし白昼堂々みんなの前で端末を使用してロボクロコを操作するその姿のどこから隠密を感じ取ればいいのだろうか。「あれれ~おっかしいぞ~」とほざきながら麻酔銃と変声機を不自然に使いこなす某名探偵の姿が頭をよぎった。

 

 この手の映画がやりがちな戦闘描写も退屈に拍車をかける。兵隊が出てきて棒立ちで「ファイアー」と叫ぶ。ショボい銃声がとどろいた後に悲鳴が上がり兵隊は無事死亡。もちろん戦力は逐次投入される。

 

 登場人物が若干多すぎる問題も発生している。パリピ女子を盗撮してボコられたあげくロボクロコから逃げるため地下をウォーキングするだけのキモオタを出演させる必要性は本当にあったのか?私の読みでは尺稼ぎのために彼らを出したのではないかと思われる。

 

 少々厳しめのレビューになった感もあるが、クソババアがEMP爆弾に巻き込まれて死亡するシーンなどはそれなりに笑えたことも書いておこう。500円の価値はないが350円ぐらいなら払ってもいいと思える、本作はそんな微妙に残念で愉快な作品である。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上