ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ディノシャーク

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あらすじ

「人間vs.サメ」

 

 主人公はスキューバダイビングのツアーインストラクターとして開業するために地元に帰ってきたお兄やんである。彼は社交的で友人も多く、さわやかな好青年といって問題ない。グラサンをかけた姿がマトリックスのネオに似ている。ヒロインは教師兼海洋学者。上司からセクハラを受けている。細い目をいやらしく輝かせる上司は人事権をちらつかせ、彼女をデートに連行しようと画策したあげく女子更衣室へ不法侵入する紳士である。

 

 主人公の帰省から間をおかず、彼の友人が捕食され遺体で発見される。そして現場付近を調査していたライフセイバーが巨大ザメの襲撃を受け殉職する。その現場を目撃した主人公。敵を討つべくヒロインや友人と協力して追跡を開始する。

 

 やがて警察も出動してくる。最初は巨大ザメの存在を信じていなかったが、その姿を目撃すると小火器による一斉射撃を浴びせる。しかし巨大ザメには全くダメージが通らない。そこで署長は命令を下す。マシンガンを搭載したヘリコプターで掃討せよと。刹那、「マスラニ」という謎のワードが私の脳内を疾駆した。ヘリがどうなったかは語るまでもないだろう。

 

 巨大ザメはイベント会場に乱入、水球をプレイしていた学生を血祭りにあげるとビーチへと転進しパリピを襲撃する。主人公とヒロインがそれに追いすがり、手榴弾と銛の攻撃により巨大ザメを撃破することに成功して終わりである。

 

 本作を鳥瞰してみると、割と素直にまとまった作品であるといえる。筋は「古代のサメがよみがえってなんかこっちに来た」というドがつくストレートであり、特にあげつらうほころびは見つからない。登場人物についても行動原理が破綻したバカが存在しないという点でパラダイスである。

 

 だからといって手放しで褒められるほど本作は良いところだけではない。まずはテンポの悪さ。特に終盤、ビーチでサメが今にも人々を襲う!という状況を演出しておきながらタラタラとパリピジェットスキーやらパラセイリングを楽しむレジャー動画を流すところなどは緊迫感を減殺するに余りある。次にBGMである。やたらとトロピカルなのだ。例えるならば車やバイクのレビュー番組で流れてるやつである。サメと必死に攻防を繰り広げるシーンで「パパがカローラを買いました」的な音楽が流れたらどうなるか想像していただきたい。最後はセクハラ上司が捕食されなかったことである。彼はセクハラのみならず、水球学生が犠牲になる原因を作った張本人なのである。彼が捕食されない理由が見つからない。これは遺憾である。セクハラオヤジなんぞどうなろうが人類の文明に何の影響も及ぼさないのだから是非彼を地獄に献上し、様式美を見せてほしかった。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上