ワンコイン・ムービ-レビュー

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ファースト・スクワッド

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あらすじ

ナチスドイツ軍が召喚した悪霊騎士団を倒すため、ソ連軍の少女兵が戦死した仲間を召喚してバトル」

 

 本作を一言で例えるなら、鍛えていない胸筋と言えるだろう。まっ平らなのである。本作に盛り上がりどころなど無い。ストーリーには緩急がなく山や谷どころか坂すらない。個性なき登場人物や後出し設定が、パン工場のバイトのように整列する様からは何の情熱も感じない。

 

 余りにも露骨なご都合主義も盛り上がりをヒートアップさせる要因である。ナチスドイツ軍が召喚した騎士団、それはいつどこで攻撃を仕掛けてくるのかわからない。悪霊だから偵察で推測する事はできない。これは防御側からすれば一番悩ましいことと言って過言ではない。すなわち攻撃側は攻勢発起点に係る時と場所において主導権を握れる。防御側は攻撃側の意図を察し防御態勢を整え後手に回ることを防がなければならない。さもなくば死あるのみである。わかりやすくパリピ風に言えばヤバイのである。

 

 この巨大な危機はあっという間に解決する。ソ連軍の将軍が主人公に「君は100年に1人の天才で予知能力が使えるんだ」と隠し要素をアンロック。主人公は攻撃地点にいるソ連軍将校の顔を予知する。その後は痛快である。スパイに追われてたまたま乗った地下鉄に寄寓にも乗り合わせたオッサンが偶然持っていた新聞に都合よくその将校の所属が載っていたのである。これで攻勢発起点問題は解決である。なんだこの直線道路を延々と走らされている感じは。

 

 いよいよ敵を迎撃や!のシーンでは一癖も二癖も無い仲間が銃を乱射するだけという迫力満点のアクションシーンが網膜を貫通する。敵の騎士はプリンキングの的よろしくバタバタと倒れ、ボスである男爵もピストルで撃たれて秒殺される。あまりにも雑すぎる。しかし実は秒殺された男爵は影武者でしたウヘヘで本作はFinである。頼むから続編は存在しないでほしい。

 

 本作の時代考証はちゃんとしていたと、そこだけは擁護しておきたい。本作の舞台は1942年の東部戦線。ナチスドイツ軍のⅢ号戦車は長砲身50mmでありT-34はまだ76.2mm砲であった。だからなんやねんと言われれば何も言えないが。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上