バトル・オブ・パシフィック
あらすじ
「ヤツらの侵略は脳からはじまる」
雄々しく佇むアメリカ空母機動部隊、それが正体不明のステルス艦の攻撃でボコボコにされるところから本作はスタートする。なおこの際に空母からF-15が発艦する社会民主党的なシーンを挿入してくれるあたり、「軍事考証はガバガバやぞ」と警告を与えてくれる本作の良心に敬意を払いたい。
主人公である米軍の黒人艦長は引退が決まった旧式戦艦アイオワを韓国からアメリカまで引っ張っていく任務を背負っている。もちろんその任務は中止である。韓国軍と在韓米軍は仲良くボコボコにされる。
この事態を分析した女情報士官は艦長に意見具申する。「中国が極秘開発したステルス潜水艦が北朝鮮に供与され実戦投入されたのよ」。全くもって愚かな見解と言わざるを得ない。中国などの力を借りずとも、北朝鮮には木製手漕ぎ漁船という立派なステルス艦があるではないか。それを使わず中国の影響力を匂わすことは米帝主義者の陰謀であり、高潔にして偉大なる同志カリアゲ受話器金正恩奥歯委員長に対する反逆であることは言うまでもない。
北朝鮮である確証はないが、攻撃された以上反撃や!とハッスルする黒人艦長に対して上役のメガネかけた将軍は「こんなオンボロで戦えるわけないだろ」「下手すりゃ国際問題だぞ」と正論を吐いた、様に見えた。しかし彼はカリスマ溢れるリーダーシップを発揮する。
黒人艦長が「私は戦います。どうしても止めるなら私の指揮権をはく奪してください」と言うともう何もしない。なんかブツブツ言い始めるが、要約すると「戦闘が起きたらヤバイぞ!俺は戦闘を止められる権限があるけど文句しか言わずに結局何もしないぞ!でも責任は艦長の君にあるぞ!」である。いや、絶対あんたも連座でアカンようになるやつやんこれ。どうしても戦い回避するなら指揮権はく奪しろと。結局彼は勇気100倍Coward Manである。
そして戦闘が始まる。敵の撃ってきたミサイルをマシンガンで撃墜したり、大砲撃ったりする。戦艦のシーンはわりかしマシな方だと思った。問題はこの後から忍び寄ってくる。
敵の正体は一体何なんだ?この疑問を解決すべく、黒人艦長は陸戦隊を敵艦に送り込む。上述した通り敵の船はステルスである。そこに兵士たちが乗り込む。想像してほしい。その絵面がどんなものになるか。兵士は映る。海も映る。船は映らない。兵士たちは船の上に乗っている。この数式を解くと「海の上で空中浮揚しているオッサンの群れ」という悲惨な答えが展開される。あまりにもひどすぎる。あんまりだ、なんとか擁護できないかと無い頭を振り絞って、そういえばキリストは湖の上を歩いたらしいやん!あれと一緒や!と考えたが、擁護どころか逆にキリシタンに喧嘩売ってる気がしたので本発言は撤回します。
その後は敵がエイリアンであることが判明する。判明したからと言って大して変わらないが判明したのである。引き続き大砲をバンバン撃ってると援軍が来てくれる。それは第二次大戦時のプロペラ戦闘機である。なぜかAC-130が混ざっていたがおそらく私の目が腐っていたせいだろう。なおこれらの援軍は期待を振り切り秒殺される。ラストは主砲をぶち込みまくってYou Winである。
まあパクリ作品ならこんなもんだろという感想である。キャラ立ちはそこそこ、ストーリーは間延び気味。だがエイリアンの攻撃で損傷する所が2番砲塔だったりするところを見るに、本作の修飾語に頭悪い系を加えるのはためらわれた。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上