ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

メガ・パイソン

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あらすじ

「良い奴から死んでいく」

 

 米軍の小隊がタリバンの残党を掃討中に奇襲に遭い、捕虜になってしまう。その戦闘の際にタリバンが使った爆弾の衝撃で地底に眠っていたバケモノワームが目覚めてタリバンを皆殺しにするところから米兵達は本格的に動き出す。彼らはまず遺棄された兵器を集めて撤退を試みる。しかし合流地点に来てくれた救出ヘリはワームにより撃墜されてしまう。ワームが次に狙うのは当然米兵達。

 

 ここではベテランの黒人軍曹が活躍する。彼は皆を避難させるため殿を務め、最後までライフルでワームに牽制射撃を加え足止めするが敢闘空しく餌食となってしまう。次案はワームの追跡を覚悟の上、タリバンのトラックで近くの難民キャンプまで向かい無線で救援を呼ぶこと。ここでは元ヤンの黒人女兵士が活躍する。彼女は荒れていたガキ時代の窃盗技術を駆使してタリバンのトラックを起動させる。追跡してくるワームに対してチームは銃撃に手榴弾攻撃を行い火力集中戦術でこれを退けることに成功。しかし安心もつかの間、トラックが地雷原に入るのを阻止しようと難民の父娘が手を振って知らせてくれるのだが、その際運転を誤りトラックは横転してしまう。黒人女兵士は下半身をトラックに潰されてしまう。そこに復活したワームの迫りくる地響きが聞こえてくる。黒人女兵士は自身の救出が不可能と悟るや仲間に退避を促し、自分は残った生命力を振り絞って叫び、ワームの注意を引きつけ仲間が逃げる時間を稼ぎ戦死した。

 

 難民キャンプで無線機を見つけることはできたが、部品が逝っているので当初のスタート地点にある資材を使わなければならない。元来た道を戻るわけである。上で登場した難民の父娘もタリバンから逃れるために米兵達に同行と道案内を申し出る。難民キャンプを出発した米兵一行。再び迫りくるワーム。それも複数である。一匹でもあれだけ苦戦したのに!と危機感を感じるシーンである。しかし彼らはくじけない。手榴弾に加え、タリバンから盗んだIEDを連続投下してワームを近寄らせない。それどころかワームを仕留めることにすら成功する。やはり戦場における火力集中は合理的である。アホみたいに棒立ちでライフル撃ってるだけの映画は是非見習ってもらいたいものである。

 

 国に家族を残している天パの白人メガネ兵士は、ワームに怯える難民少女に自分の娘をダブらせ安心させようと現地語で話しかけたり変顔で彼女を笑わせたりする。ほっこりするシーンであるが、そこにタリバンの援軍が来襲。天パは手榴弾の破片を腹に喰らって瀕死になってしまう。しばらく銃撃戦が続くが、何も知らずに爆弾をアホみたいに使ったタリバンちゃん達はワームのお腹の中に旅立つこととなり米兵一行は危機を脱する。しかし残念ながら天パは戦死してしまった。

 

 そして修理した無線で救援ヘリを要請。廃坑となった坑道をくぐりぬけヘリに搭乗。しかしワームはそのヘリに喰らいつこうと大口を上げて迫ってくる。その口に対して隊長が爆弾を抱えてヘリから飛び降り特攻。自らの命と引き換えにしてワームを吹き飛ばしてThe Endである。

 

 上述した通り本作はキャラクター立ちがしっかりしていて安心できる。ワームの造形もこの手の映画にしてはしっかりしている。特に開いた口腔の牙と粘膜がグロテスクで恐怖を煽られる。戦闘についても敵はタリバンだったりワームだったり、戦術も野戦だったり退却戦、防御戦と敵に合わせた戦闘手段や豊富な戦闘シーンはメリハリがきちんとしていて視聴者を飽きさせない。

 

 あえて贅沢を言えば、天パのメガネ兵士に見せ場をつくってほしかった。例えば、瀕死の重傷を負う自分を心配する難民の少女に「おじさんは大丈夫だから、隊長たちと先に行っててね。おじさんもすぐに追いつくよ」と少女を気遣い送り出した後、力尽きるその時まで機関銃を手にワームとタイマンを張るようなベタなシーンが見たかった。

 

 前回レビューした作品が、富山市議会レベルの清々しい作品だったため、今回のレビューはその反動でひいき目になっているかもしれない。だが本作は「休みの日だけど、特にやりたいことも無いからB級映画でも借りに行くか」というような時があれば是非みてもらいたい作品であると推薦できる。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上