ワンコイン・ムービ-レビュー

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スプリング☆ブレイカーズ

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あらすじ

「Fuck’in Criminal Party People

 

 初っ端からスロットル全開で展開されるパーリーピーポーのシーン。その迫力は『プライベート・ライアン』の冒頭オマハ・ビーチでの戦闘シーンが幼稚園のお遊戯会に見えるレベルだ。パーリーピーポー達はアルコールを浴びるようにかっ食らう。ヤクは酸素より大事。乳を放り出してケツをブルブルと震わせる上品な所作。「プッシー」「ペニス」「ファック」が共通語となるエレガンスな外交。

 

 極めつけは声楽である。「ウェーイ!」「フゥオォォォーウ!」「ヒィヤァハァァァァー!」、そこら中からこちらを包囲するかのように撃ち放たれる猿叫を聞けば自顕流も裸足で逃げ出すだろう。しかし待ってほしい。自顕流に殺されるのなら武門の誉れかもしれないが、本作に殺されたとあっては末代までの恥ではないか。私は意識を取り戻した。本作と戦うために。

 

 大学生の女4人組が「なんか満ち足りないわー」「フロリダでパーリーピーポーしようぜ」と思い立ち、強盗で資金を調達する。前述のとおり騒いだ女どもは大麻使用の罪でジャッジメントされかけるが地元のチンピラに救われる。その後はチンピラと共にヤクを密売したりムカつくやつを銃殺したりする。以上。実に救いようのないストーリーではないか。強盗?麻薬密売?殺人?パーリーピーポーのために?何がウェーイだ地獄に落ちろ。

 

 本作の色彩は豊かだ。いや、豊かというよりギラギラしているといった方が適切な表現だろう。世界を染める赤、オレンジ、緑、青、紫…。映像は早送りされたりスローモーションされたり、点描で描かれた絵画の様に処理されたりする。これらの表現は何の目的でなされたものなのだろうか?残念ながら私にはわからなかった。私の思う所、これらの表現は意図を伴わない、単なる「当世風の味付け」というやつではないだろうか。

 

 いったい製作陣は何を意図して93分間もバカを撮影したのだろうか。私は1つの仮説を提示したい。それはすなわち本作をホラーとして鑑賞することだ。実際問題として本作に登場するようなパーリーピーポー達が現実社会で直立二足歩行していることは否定できない。本作はただその事実が忘れられぬよう視聴者に警告しているのではないか?同じ地球市民であるなどと死んでも思いたくないような極大低劣知能指数の類人猿の存在を93分間観る恐怖。それと同時にふり返るのだ。人の振り見て我が振り直せ。私たちもいつ腐るかわからない。そうパーリーピーポーは私たちの中にも潜んでいるのだ!

 

 言うまでもないがほぼ確実にこの解釈は間違っている。本作はただの頭の悪いPVである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上