ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ディープ・インフェルノ

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あらすじ

「ジャングルの中心でキィヤァァァッと叫ぶ」

 

 卒業後職に就くアテもなく、さらに奨学金を返すアテもないくせにパーリーピーポーすることには余念がない社会のダニがパナマのジャングルでチュパカブラに襲われて友人ともども壊滅するというざまあ系映画である本作の評価について先に述べておこう。純然たるゴミである。

 

 物語はジャングルで繰り広げられる。夜の。控えめに言って何も見えない。救いを見出そうと、クモの糸のごとき細さで懐中電灯の光が振り回されるが大局には何の影響もない。そんな暗闇の中でパリピの女がキャアアアと叫ぶとチュパカブラもキエエエと叫ぶ。非常に素晴らしい耳障りの混声合唱である。

 

 暗すぎて誰が何をやっているのか全然わからない。映画は運動であるとの格言に真っ向からケンカを売るこのスタイルから何かを見出せないか考えてはみたが、私ごときの知能程度では救いは見いだせなかった。

 

 もしこの記事を読んでいる貴方が女性であれば、部屋の電気を消し、片手にスマホもう片手に懐中電灯を持って「キィヤァァァァッ」と叫びながらスマホと懐中電灯を振り回して動画を撮ってほしい。真夜中に。おそらく本作と似たクオリティの動画が撮れるはずだ。運が良ければ隣人に通報してもらえるかもしれない。

 

 主人公はプログラマーでアプリだって開発しちゃうんだぜ?そのアプリに遭難している動画をアップしたら「いいね!」がめっちゃついたんだぜ?でも誰も助けてはくれないんだぜ?といったSNS批判が大したセットアップもなく取って付けたようにぶち込まれるのも腹立たしい。

 

 ではラストで主人公たちを助けるのは誰なのか?それはツレの力である。ジャングルでのパーリーピーポーに1人反対して街に残っていたツレが親戚のツテを使い警察を動かしたのである。そして見事武装警察はACOG付M4アサルトカービンでチュパカブラを射殺してハッピーエンドである。やっぱ大切なのは友情だよねっ☆彡我等友情永久不滅!

 

 だがちょっと待ってほしい。ツレ本人がライフルをもって助けに来るならまだこの論理はわかるのだ。しかし結局助けに来たのは警察であり、ツレは親戚に泣きついただけである。友情を表現するどころか、ここから読み取れるのはガキどものケツを拭くのは結局大人であり行政なのだというファッキンクライストな現実である。ツレ(核爆)。

 

 細かいことかもしれないが、室内のシーンでの練度の高いカメラの腕も気になった。フレアやゴーストの多発により目をチカチカさせるその手腕は一考に値する。

 

 良いところは1つだけ。ジャングルについての不穏な記事を読んだ主人公を俯瞰でカメラが捉える。シーリングファンごしに。その回転する羽が主人公の首を刎ねるかのように不穏さを煽る5秒程度のシーンだけを擁護して筆を置きたいと思う。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上