ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ガール・ファイトクラブ

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あらすじ

「男女間で能力差は無い!(悪い意味で)」

 

 女子校生が行方不明になりまくってるから女刑事を高校に潜入捜査させるぜ!というよくわからん作戦が幕を上げる。潜入先の高校にいたのは花も恥じらう大和撫子たち、英訳するとファッキンビッチである。

 

 「先公に跨って顔面騎乗したいワ♪」とスポーツマンシップを披露したり、生物学のレポートの題材に「チンポとマンコの構造」を選択し教員を感激させた着想点、空き缶を清掃員に向けて投げ捨てるフレンドリーシップといった、貞操観念と選民思想のハイブリッドは、視聴者に「こいつら早く死なねえかな」と祈らせるに十分である。

 

 もちろんビッチと女刑事はマッハで拉致られて、君たちには今から殺し合いをしてもらいます状態に堕とされる。注目すべきは女刑事が全く活躍しない点である。ヘアピン使って南京錠を外したぐらいで、後は変態ファイトクラブの運営をしているわかりやすい過剰演技の変態キャラにボコボコにされるだけである。

 

 代わりに活躍するのは女刑事の元カレである。しかし彼は非番のため女刑事の居場所を知らない。従って彼女がどこに捕らわれているのかを探すフェイズが必要になるわけであるが、本作は93分の上映時間の7割近くをその道程に割くという英断により視聴者を退屈の渦へと投擲する。

 

 女刑事の居場所を見つけた元カレは拳銃を握りしめ、「援護を頼む」と相棒に語りかけ突撃する。なおその相棒とはたまたま知り合った民間人男性(高校2年生)であり、彼の武装はバットのみである。

 

 突撃の果てに遭遇した変態ファイトクラブの主催者は、ビッチたちの生息する高校の教員だった。なぜこんなことをしたのかと問われて彼が答えた犯行動機は「ガキの面倒なんかみたくないからでござる」である。だったら何故教員免許を取得したんだというのは間違っている。市民は皆職業選択の自由を有しているが、その字面通り、我々は自由の刑に処せられているのであり、黒幕教員はそれと向き合い戦った健気な神の子羊であるという事実に疑いの余地はない。

 

 その後バカ教師はリーダー格のビッチを人質にして車で逃走する。ここで女刑事初の見せ場が!彼女はスタンガンでバカ教師に天誅を下し、車ごと彼を湖に水没させることに成功する。なおリーダー格のビッチも巻き添えを食って無事死亡した。

 

 バカとビッチがどっちもくたばってお茶の間がほっこりしたところで、実は元カレはストーカーだったんだよHAHAHAでハッピーエンドである。

 

 拉致られた女たちがギャーギャーわめくのが主成分の本作においては、女はビッチか無能、男はバカかストーカーとして描かれている。女も男も等しくゴミの様な存在であり人間が死ぬことこそが究極の公共の福祉であるわと主張しているような、そんな爽やかな風の薫りが鼻をくすぐったような気がした。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上