ワンコイン・ムービ-レビュー

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バイオクリーチャー・ライジング

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あらすじ

「近所のビデオ好きのオヤジが趣味で友人達と撮った作品と言われれば納得できる」

 

 元気すぎるおちんちんを制御できず困っているクソ議員のセックス・スキャンダル(ハニートラップに引っかかって動画を撮られた)をもみ消すために裏組織(笑)に所属するケツアゴのデブが奮闘する姿が本作の基本骨子である。

 

 クソ議員をとりまく2つの組織があると説明台詞で語られるが、どっちがどっちで何をしているのかわからないという作りになっているところはさすがこの業界といったところだろうか。その代わりと言ってはなんだが、作中では「プロメテウス」「ピューリタン」「アルケミスト」といった、突然出てきては大した存在感無く消えてゆく言の葉が量産されている。これらのうわ言が視聴者の思考力をザクザクとそぎ落としていく。

 

 クソ議員のエロ動画回収ミッションと並行して、「デバウワ」とかいう謎のシステムとそれに係る生物兵器開発の陰謀が明らかになるが、もちろんこれらの間に関連性や継続性といった類の設計は見出せない。

 

 やがてキン肉マン消しゴムに泥をぶつけたような小汚いクリーチャーが現れ、銃を持って立っているだけのモブキャラを投げ飛ばしてゆくスペクタクルなシーンがお茶の間を絶望のドン底に叩き落さんとする。なおクリーチャーは象並みの皮膚を持ち、銃弾が通用しないという設定である。

 

 弛緩した時間が漂う中、クリーチャーたちは突如現れたパッと出のジジイが持つショットガンの銃弾で次々と即死していく。設定とは一体何のためにあるんだという慟哭を忘れさせるような爽快なアクションシーン。これを見た後なら1990年代後半のゲーセンのガンシューティングでもVRだと思えることだろう。

 

 クリーチャーものとしては弱く、かといって本筋はエロ動画を求めてデブがさまようロードムービーというなんとも情けない作品である。人的にも財的にも資源が不足するクソ映画業界だとはいえ、もうちょっとなんとかならなかったのかと虚空に吐き出さずにはいられない愚作であった。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上