ワンコイン・ムービ-レビュー

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アバター・オブ・マーズ

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あらすじ

「半円形運動」

 

 負傷した男がベッドに横たわっている。米軍のオッサンである彼は、テロリストのおっさんとのお遊戯の果てに全身にダメージを受けたのだ。そんな彼に米軍情報機関は提案する。「16GBのフラッシュメモリーを使い魂を体外離脱させ、念力移動により分身を火星216という惑星に送り込もう」。寛容の精神によりこの作戦については何も言わないでおこう。それにしても本作戦の実行によりステイツにどんな国益がもたらされるのかは当然語られない。

 

 そして米軍のオッサンは火星216に送り込まれ、そこで出会った部族の前で半裸を披露、そして調子こいてスキップしまくる(後述)。彼はヘリウム王国とかいうナメた風船みたいな名前の国の王女とも交流を深める。

 

 やがてテロリストのオッサンも火星にやってくる。彼は「俺は王女と結婚してヘリウムの王になる」とガキみたいな願望を露出してしばし暴れた後無事死亡した。ラストは王女が星に設置された空気清浄機を修理して一件落着である。

 

 本作のストーリーについては恐ろしいほど書くことがない。主人公の設定や米軍の動向、はてはなぜ女王が米軍のオッサンに心惹かれるようになったのか描写が無い問題…。ならば我々は目に映ったものを素直に愛でることで本作から魅力を抽出せねばなるまい。

 

 ある書評記事の影響で購入した『タッチで味わう映画の見方』では「映画は運動である」と書かれていた。では本作で生き生きと描かれている運動に目を向けよう!それは尻である。

 

 米軍のオッサンは念力による症状のせいか、やたらめったら身体能力が高い。『ドラえもん のび太の宇宙開拓使』みたいな感じでめちゃくちゃ高くジャンプしまくる。むやみに。前述したとおり、彼は半裸である。腰に輝く彼の刺青がポルノ男優のオーラを放っている。珍棒から逃れるようにやたら挿入される上半身半笑いのアップショット…。火星の荒野を背景にして飛び回る彼の姿はビビッドなノミの様だ。腰布に隠れた彼の尻が荒野の空に高らかな橋を描く。私は本作を諦めた。

 

 もう一つ苦言を呈したいのは宇宙船の装備である。火星216王国軍の装備する宇宙船、なぜか対空火器がブローニングM2とAK47なのである。これが世界観の打ちこわしに貢献してくれたことは疑うべくもない。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上