ワンコイン・ムービ-レビュー

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サブ・ゼロ

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あらすじ

「ファイト一発」

 

 国際連合の管理下にあるレーザー衛星兵器の制御装置がテロリストに奪われてキューバが吹っ飛ぶという、お前それ設定としてどないやねんというキックオフから物語は始まる。外交テーブルに過ぎない国際連合がオービターアイズで全地球人を脅迫しているという前提もさることながら、国連のケツを拭くために投入される部隊はもちろん国連軍ではなく全人類の希望、ワールドオブジャスティスのアメリカ軍である点はもはや今さらである。

 

 ヒマラヤあたりに落っこちた国連レーザー砲の制御装置を回収するために、「ボクは山に詳しいんだ」的なコメントをほざきつつトゥギャザーしていく米国人たちのほとんどは雑に殺される。あるものは登山中に負傷しテントで休んでいたら雪崩で死ぬ。あるものはそもそも山に登る前に毒殺される。雑にキャスティングされた役者たちが雑に殺されて行き、残った数名のオッサンたちが一昔前のリポビタンDのCMのようなケインコスギライミングを楽しんでいく。

 

 なんやかんやで起爆装置をオワコンにしてテロリストも昇天。オッサンは美女を抱えて山頂からパラシュート降下してフィナーレである。もちろんお前は何で登山にパラシュートを持ってきているんだなどとは言ってはいけない

 

 本作を構成する各要素から何らかの魅力を抽出しようとする試みは全て徒労に終わった。

婚約者を失った過去を持ち隠遁生活を送っていたはずの世捨て人がクイックターンで仲間になった挙句特に見せ場もなく死んでいくという雄姿に代表されるキャラクターの魅力の無さ。存在感の無いテロリスト。何もしない指揮官。衛星兵器は宇宙空間をバックに浮かんでいる量産型のCGでしかなく、登山用装備はヒロシのキャンプと大差ない。

 

 唯一面白かったのは本作で描かれた北朝鮮の動向である。かの白頭山の英雄が打ち建てた自由主義国家はただひたすら「アメリカが悪い」と叫び続けるガイキチとして描かれており、米帝の大統領は「国連の問題なのになんでアメリカだけが逆ギレ攻撃されるんや」と嘆いていた。そこだけが妙にリアルで笑えたが、だから何だと言われれば何も言い返せないことは自明である。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上