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エイリアン・アルマゲドン

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あらすじ

「ゲロ(直球)」

 

 ある日ある時、エイリアンが地球を攻撃する。この序盤のシーンは力が入っていた。エイリアンが装着しているパワードスーツは土色の武骨なデザイン、エイリアンの攻撃機からは激しい対地攻撃が行われる。しかし本作で多少なりとも見どころがあるシーンはここだけである。

 

 上映時間の大半は捕らえられた地球人数名が狭い部屋の中で過ごすシーンである。彼らの会話の内容はとてもエスプリが効いている。「私の娘は生きてるのよォ」とヒステリーを起こすオバサン、死んだ目でボーっとしている坊主頭の黒人、エロそうな顔した白人男、彼らの特に意味のないおしゃべりは場を大いに沸かせること受け合いである。

 

 さらに素晴らしいのは、この部屋の公衆衛生概念である。部屋の隅にはおまるが1個。彼らはそこで男女平等に汚物を投入する。特に美しいのはエロそうな白人男であり、彼は屁をこきながらブリブリブリ、ボチャンと下痢を連射する。それだけではなく彼はエイリアンの出してきた食事にやられてゲロまで吐く。SF映画だと思っていたら糞尿とゲロのシーンを見せられて、一体俺は3連休に何をやっているんだと絶望を覚えたことは否定できない。

 

 しかし悲劇は連鎖する。何故か役者や音響がこの場面にやたらと力をいれているのである。特にそれはゲロシーンで顕著である。「ヴォエエエエエエ」だの「ゲヴォォゥォォォ」だの夢に出てきそうな勢いで延々とこれら快眠ミュージックを聞かされるのである。例えるならばこれは聴覚に対するスターリンオルガンである。

 

 やがて生き残った連中と女科学者が合流して部屋から脱出するのだが、その過程はMerdeの一言である。軍事用パワードスーツを着込んだエイリアン兵士が、女の細腕で振り下ろされた角材で倒されてゆく様はもはや喜劇である。そして脱出に成功。エイリアンを倒すためにはどうするかを協議する。

 

 女科学者は「対エイリアンウイルスを持っているからそれをヒステリーおばさんにブチこんで、ボスのエイリアンにおばさんを食べさせてやっつける」とか訳の分からんことを言い出し、皆がそれに同意する。あえて私は何も言わない。もう、何も。

 

 その後は計画通りボスエイリアンにウイルスが効いて地球人が勝ってイエーイである。なお、ボスエイリアンに食われたヒステリーおばさんの死体が無意味にアップで写されていたのは一体何の目的があったのか未だにわからない。体のあちこちを噛み千切られて下半身はズタズタ、上半身はろっ骨や内臓が露出している。誰が得するんだこんな映像。

 

 なおエイリアンの正体は火星人である。地球に攻めてきた理由は「火星人は共食いで生きてきたんだけど、もう限界で食糧問題を何とかしないといけない。だから地球人を奴隷にして食料に品種改良しようとした」という超絶理論である。宇宙空間を遠征して戦闘できる技術があるんだったら、その力を食糧問題に生かせという発想は彼等にはなかったのだろうか。

 

 本作はストーリーにヤマもオチもない糞であり、とても庇いだてできない。あげく、それでもなんとか頑張ろうとした役者や音響はゲロシーンに全力を注ぐという悲劇まで生み出している。このあまりにも悲惨な光景。そろそれ辛い。わたしの 意識も もももたな る。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上