ワンコイン・ムービ-レビュー

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ソーラー・ストライク2012

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あらすじ

「親方!空からオッサンが!」

 

 スーパーノヴァとかいう星の爆発の衝撃で地球がヤバいということが判明する。これに対処するのは主人公であるアメリカのオッサン科学者を含む3人。残り2人の内1人は「共産党が最高なのよ」と内ゲバの火種を燻らせる中国の女科学者。もう1人は頭頂部がつるっパゲでサイドにチン毛を接着したようなモダンな髪型のロシアジジイである。3人は「ヤベェよヤベェよ」といいながらパソコンをカチャカチャする。

 

 しかし手は動かすものの事態は一向に進展しない。「ヤバい」しか言わない彼らの知性からはSFのえの字も感じ取れない。彼らのその様は例えるならば、自分に振られた仕事は片付いたけどそれを言ったら追加の仕事を振られるから適当にExcelをカチャカチャやってるリーマンの如しである。

 

 とは言いつつも流石は科学者。彼らはついに解決策を見出す。それは「地球の磁気圏で核ミサイルを起爆させ分子間相互作用で核防御雲を創る」というとても精密に構築された理論武装であった。この理屈の意味が私には全くわからない。己が知性の乏しさを恥じるばかりである。何故私は法学部なんぞを卒業してしまったのか。もしもタイムマシンがあるならば私は迷うことなく核防御学部に進学して地球を救う道を歩むだろう。

 

 そして科学者3人は核を起爆させるためにスペースシャトルを操縦して宇宙ステーションへと旅立つ。なお彼らは肉体的・精神的な訓練は受けていない。宇宙飛行士というエリートを舐め腐った特攻精神は旧日本軍を彷彿とさせる。案の定彼らのシャトルサンダードルフィンの様に穏やかに離陸する。「軌道に誤差が生じたぜ!」「機体が衝撃でぶっ壊れるぜ!」とかいいながら結局「大丈夫だぜ!」で乗り切るのは精神力のなせる業なのだろうか。

 

 宇宙ステーションはスーパーノヴァの影響でシッチャカメッチャカ。唯一生き残った主人公が核の起爆装置を起動。我が身を犠牲にして地球を救ったのだ…。物語はこの様式美で幕を下ろすかと思われた。

 

 しかし主人公のオッサンは何故か無傷で地球に生還している。意味がわからない。まず彼は「ボロボロの宇宙ステーション内で」「スーパーノヴァの衝撃を受けながら」「核兵器の中心でそれを起爆」したのである。それだけではない。彼は宇宙服すら着ていなかったのだ。100億歩譲って彼が宇宙空間でダメージを受けることが無かったとしよう。問題はその後、彼は生身の肉体で大気圏に突入して母なる大地に衝突しなければならないのである。ギガブレイクを耐えきったクロコダインですら瞬時に燃え尽きそうなこの条件をオッサンは軽々とクリアして笑いながら家族と抱き合うのである。このオッサンの防御力は一体何なんだ。もうこっちも笑うしかない。

 

 星の爆発、スーパーノヴァ。宇宙というものはまだまだ解明されていない恐ろしい世界である。しかしながら真に恐ろしいのは人間ではないか。陳腐な結論であるが、ラストのオッサンサバイブを見た後ではこれ以上の感想は絞り出せない。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上