ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ミッション:エクストリーム

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あらすじ

「張三李四のコメディ映画」

 

 イケメンでもなければブサイクでもない主演の中年男性がピストルをもってテキトーに悪者をやっつける!これのどこを褒めればいいのか。

 

 主役のルックスはどうだろう。彼は捜査の過程でスーツを脱ぎ捨てる。露わになる中年オヤジのたるんだ肉体。筋肉に張りは無く、あげくに下腹がぽこんと出ている。縁側でシャツ一枚で涼んでいる町内会のオヤジのようなそのオーラからヒーローを感じようとする試みは令和のアイタベ作戦と言えるだろう。

 

 「ボクは今からこういうことをします」「真犯人は実はアイツです」と同時通訳の様に説明してくれる独白という名の説明台詞も華を添えている。その様はYouTubeのゲーム実況動画を見ているようで実に低俗である。

 

 スローモーションに早送り、画面着色と、とりあえずぶち込んどけばええやろ的に投入される演出過多は胸やけを誘発する。そして無個性な脇役が拳銃を引き抜く!その射撃姿勢はクソである。スタンスは狭く、あげく腰が砕けている。

 

 拳銃。そういえば主役の持っていた拳銃は良かった。それはブルーイングのほどこされたS&W M10。一昔前の警察行政を背負っていた老兵のその輝きは尊敬に値する。

 

 主役のオッサンは射撃する。そして彼は何発撃ったかを確認するためシリンダーを開放し、空薬きょうを捨て、残った1発の弾丸を再装填する。その動作!見るものが見ればわかる所作。役者によるものか、演技指導者によるものか、はたまた美術担当の指導か。それはわからなかったが、実に愚かなキモオタブチ切れポイントであった。

 

 主役のオッサンはシリンダーの「左側」にラストの1発を装填した。オッサンの持つ拳銃は「S&W製」である。さあどこがブチ切れポイントかな?

 

 読者諸氏がお考えの通り答えは簡単。世間一般の常識が示す通り、S&W製のリボルバーのシリンダーの回転方向は反時計回りである。したがって1発の弾丸を発射態勢にすべく装填するならば、シリンダーの右側に装填しなくてはならないのである。

 

 銃器メーカーの設計思想により、リボルバーのシリンダーの回転方向は各社まちまちである。従ってオッサンの銃がコルト製ならシリンダーの回転方向は時計回りであるため、左側装填でも問題はないのである。だからなんだよと言われればグウの音も出ないがそういうものなのである。

 

 一つ言えるのは本作が銃に対してそこまでの愛情をもっていないということである。大学入試改革が叫ばれ、センター試験が大学入学共通テストになるというこの激動の教育改革の時期に、試験科目に「小火器B」が新設されないと誰が言いきれるだろうか。もはや自分でも何が言いたいのかわからなくなってきたが、銃を愛する映画が見たい。それは変態だって?変態だっていいじゃないかキモオタだもの。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上