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アイス・ジョーズ

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あらすじ

「出オチ」

 

 雪山のトーテムに封じられたサメの霊が解き放たれ、チョイ役という名の撒き餌を散発的に襲う。主人公と思しき個性無き一群がぷらぷらしている間に、チョイ役の女がトーテムを修復しサメは沈静化。言ってしまえばこれが本作の全てである。

 

 サメがスキー場で大暴れ!この変わった設定だけが本作の戦力であり、残念ながらそれは援護射撃を受けることができずに玉砕している。ストーリーは見せ場が無い、盛り上がりどころなどどこにもない。主要キャラクターと思しき連中には個性と言うものが全く無い。ただ立っているだけ。何かしているという点で比較するなら汁男優の方が彼らより価値がある。そのくせなぜかチョイ役には濃い面々が含まれていた。サメに囲まれながら「I love you」と世界に叫び捕食されるオッサンや、「車内で放尿するぞ」とアッシー君を脅迫するブロンド女がそれである。もちろんこの濃さは作品にプラスの影響を与えることは無い。

 

 本作の上映時間は82分、一大スペクタクル長編映画である。にも関わらずスキーヤーが滑ってるシーンやスキー場のリフトが動いている様子や山の風景を映して尺を稼ぐという構成能力を存分に発揮してくれる。

 

 作中ではスキー場の経営陣が「ビキニ・スキー」なる頭悪い系のイベントをやる旨を繰り返し陳述している。頭悪い系の男女がパーリーピーポーしたあげくサメの襲撃を受けるシーンが期待されたが、煽るだけ煽っておきながら結局イベントは行われない。素晴らしい伏線、低級量産型様式美すら本作からは見いだせない。

 

 本作は雪国のサメという意外なパッケージで客を騙す、中身のない詐欺製品である。適当に兄ちゃん姉ちゃんが食われるだけ、ストーリーもクソも無い。作品をつくろうという意思があるのかすら疑問である。指揮系統が崩壊した敗軍が局地的に再編成され阻止線を張る絶望的な戦闘。それがアイス・ジョーズである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上