ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

グラマラス・ハンターズ

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あらすじ
「流出した核兵器の起爆装置が悪党の手に渡ったから取り戻せ」

 

 本作は女のエロさと男の筋肉を表現する事だけにパラメーターを極振りした特化型の映画として評価できる。本作ではこれでもかとばかりに女性の胸があらわになる。無駄な肉のついていない手足の、流れるような美しさ。うっすらと浮き上がった腹筋によって引き締められたウエスト。これらの大量のエロスが、ストーリー上必要ないレベルで大量投入されるが、下品さを感じさせないだけの出来の良さは認めざるを得ない。男性の肉体美は、女性のそれほど強調して表現されてはいないが、不快を催す男臭さは感じない。むしろ間食のような満足感すら沸き上がってくる。

 

 本作はエロスに全ての力を注ぎ込んだ作品である。その犠牲としてストーリーや俳優陣の演技力は文化祭レベルとなっている。
 まずはストーリーについて、核の起爆装置が流出したといっても装置それ自体が爆発するわけではない。よって装置と連動する核兵器が必要となる。悪党のボスはイランのような核保有国に装置を売ろうと企んでいるようであるが、そもそも核兵器を持っている国なら当然起爆装置も持っているはずである。よって起爆装置のみを売りつけるというビジネスモデルはそれ自体すでに破綻している。
 俳優陣についてもお話にならない。エロスシーンで見せた妖艶な色気は地平線の彼方へ吹き飛び、セリフを棒読みしながら一目でおもちゃとわかる銃を振り回す姿を見ていると涙がこみ上げてくる思いである。悪党のボスが「信頼できる殺し屋を雇った」と豪語した後、現れたのは油っこい東洋人のオヤジ。彼はカールおじさんのような口ひげを生やし、ホームレスのように整えられた小汚い襟足を見せびらかす。とどめは額に輝く、日章旗をあしらったハチマキである。彼は存在そのものが日本に対する宣戦布告であると認識せざるを得ない物質であり、西欧映画界の日本に対する偏見が浮き彫りになった悲しいピエロと言えるだろう。

 

本作では必殺兵器としてストライカー12というショットガンが登場する。これはイスラエル軍南アフリカ軍も装備する強力な銃器であることは間違い無いのだが、いかんせん作中ではその威力があまりにも過大に描かれすぎている。その一撃はマフィアの潜む小屋を爆砕し、オートジャイロすら撃墜する。とりあえずゴツい銃を持たせておけばいいだろうという小道具係の適当さが浮き彫りになったシーンである。本作を視聴した結果、「ショットガンで航空機を撃墜できるんだ」と思い込んだ視聴者が返り討ちにあわないように、現実のストライカー12がどういったものなのかがわかる動画のURLを以下に貼り付けておくので、ショットガンで対空戦闘を行う予定のある方は是非一度確認していただきたい。

 

https://www.youtube.com/watch?v=GSxz7SuLwUg

 


総合評価・星4つ(ステキやん?)
★★★★☆

 

以上