ワンコイン・ムービ-レビュー

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ランド・オブ・ザ・ロスト

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あらすじ

「異次元を抜けると、そこには優しいドイツ兵が!」

 

 アメリカ人の一行がクルージング中に嵐に巻き込まれ、異次元への切れ目に吸い込まれてしまうところから物語は始まる。彼らはとりあえず女性1人をクルーザーに残してゴムボートで眼前の謎の島に上陸する。上陸して間もなく、彼らはプテラノドンティラノサウルスに襲われ、クルーにも死者が出てしまう。なんとか海岸までたどり着くも、ゴムボートとクルーザーは消えていた。

 

 戸惑いながら夜を過ごす一行の前にアメリカ海軍飛行士とアメリカ人老船長が現れる。彼らは同じく異次元へと連れ込まれた者達であり、しかも彼らが生きていた時代は半世紀以上前であったのだ。彼らによると、クルーザーは潜水艦と共に異次元にやってきたナチスドイツの兵士達に持っていかれてしまったとのこと。クルーザーに残された女性を助けるべく彼らは作戦を練る。

 

 彼らの編み出した高度な作戦は「石を投げてティラノを挑発してドイツ兵に突っ込ませ、混乱のうちに女性を救出してドイツ兵の銃を奪いクルーザーを奪還する」というものである。小山田投石部隊じゃあるまいしお前らじゃ無理だろ、と言っても話は進まないのであろう。作戦は成功しドイツ兵は大混乱に陥る。しかし飛行士と老船長が土壇場で裏切り、2人だけでクルーザーを奪って逃げ去ってしまった。やがてティラノが去った後、その事をドイツ兵に伝えると一瞬で仲直りが成立した。人が良すぎるだろドイツ兵。優しすぎる世界にも程がある光景である。

 

 さて逃げた2人に悪態をついても状況は変わらない。脱出のための作戦が再び練られる。それは「ティラノをぶち殺して、その住みかにある石油を汲んできて潜水艦に入れて脱出」である。では肝心のティラノの倒し方は?と聞かれると「手榴弾とダイナマイトでティラノを挑発しながら座礁した潜水艦の前までおびき寄せて魚雷でやっつける」というものである。このティラノは一体どれだけ挑発されれば救われるのか。この子はただ生きてるだけなのよと叫びたくなってくる。なお作戦は失敗した模様。それをカバーすべくクルーの男が1人ティラノの前に立ちはだかり、手榴弾を抱えティラノの口へ特攻をかけ相撃ちに持ち込むことに成功する。

 

 そもそも水中で使用する兵器である魚雷を、陸上に座礁した潜水艦から撃ちだすところからして無理がある。ドイツ兵は自分が使う兵器のことも勉強していないのだろうか。大体貴重な爆薬を挑発に使うという時点でどうかしている。ティラノは可哀想だし効果は無意味だし、良いところは全くない。いちいち上述の様な無駄な行動を踏まずとも、ティラノの住みかを急襲し、小火器でティラノを牽制しているところに爆薬を集中投入する方がはるかに理に適っている。戦場における火力集中の重要性は一般常識と言っても過言では無いと私は考えているがいかがだろうか。おそらく「一般常識」という点では皆さんの同意は得られないだろう。

 

 その後は燃料をちまちま集めてさあ出港や、という時にまた別のティラノが襲ってくる。殆どが潜水艦で出港することができたが、クルーの夫婦が取り残されてしまった。そして感動のラストへとつながっていく。「出て行ったみんなはどうなったか知らないけど、まあ俺たちはハッピーだぜ」そしてエンドロールである。

 

 途中までは頑張ってる低予算映画だなあ、と微笑ましく見ていたのにラストのラストでビトレイしやがった恨みは決して忘れない。結局投げっぱなしエンドかよ畜生、と悔しさを抱きながら筆を置くことにする。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上