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アルマゲドン2014

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あらすじ

「地球を動かす」

 

 ヤバい隕石が地球にやってきてるから、このままだと地球がヤバい。この事態を受けて各国政府は核兵器による(中略)作戦は失敗する。どうするべきか皆が頭を悩ませていると、インターン天文台で働いていた学生(高校生の時に核融合炉を建設した実績有)が「地球のプレートの継ぎ目に核兵器を撃ちこんで大地震を起こせば地球の位置がずれて隕石を回避できる」と政策提言する。

 

 言いたいことは2つある。1つ、地球の位置が変わるほどの大地震による被害については考えなかったのか。確実に言えることは、4つのプレートの上に乗っかっている極東の島国は確実にTHE ENDだということだ。2つ、地球の位置がずれたら、もうそれって終わりじゃないだろうか。太陽と地球の位置関係が絶妙なおかげで水も空気もあるんやでという話が小学校の理科室の記憶と共によみがえってくる。核兵器ごときで地震を起こせるかって?そこにまで触れたら可哀そうじゃないですか奥さん。

 

 本作に一本筋の通った流れ、ストーリーを期待すると死神の鎌に魂を狩り取られるだろう。よくわからん用語を並べ立てておしゃべりするシーンをツギハギすれば本作に近いものが出来上がると言えば絶望の度合いをわかっていただけるだろうか。

 

 潜水艦の一区画。主人公とヒロインがアホみたいに突っ立っている。そこに浸水!電気系統の不備でドアが開かない!叫ぶヒロイン、その背後。そこにはだらしなく口を開けたドアの姿が!もうドアを閉め忘れたりしないよ。なおこの直後場面は転換される。そして何の描写もなく主人公とヒロインは「なんやかんやで助かったで」と再登場するのである。どうです、こんなシーンが沢山あるんですよ。なかなかの苦行でしょう。

 

 兵器担当の将校として登場する黒人のお兄やんも被害者である。彼は異常気象で基地が壊滅状態に陥っている中で、唐突にゲイの彼氏に愛をささやく。部下にも自分がゲイであるとカミングアウトするも、心底どうでもいいという表情で肯定される。もちろん長々とこの場面に時間を割いたにもかかわらず、彼がゲイであるという設定は全く生かされない。もしかしてだが、世論に媚びを売るためにこれらシーンを無理やり入れたのではなかろうか。だとすれば唾棄すべき行為である。

 

 ところでプレート爆破作戦は地震が起きただけで大失敗。さあ次なる策は?「サイパン島の火山に核を撃ちこんで噴火させればなんやかんやで成功する」、我慢にもほどがありますよ奥さん。サイパン島として映し出された直径1kmぐらいの岩の映像が虚無を突き付けてくる。

 

 ラストはハッピーエンド。作戦は成功である。ゲイの将校がリポビタンDのCMみたいなノリで砂浜をウォーキングして核弾頭2つを両手に抱き火口へと身を投じるのである。その姿は平教経に似ていたような気もする。違いを挙げるなら壇ノ浦は悲劇であり本作は惨劇であるということである。

 

 企画展・3連休3アルマゲドン、いかがでしたでしょうか。見るも悲惨な文章群が貴方の心に何かを与えたのならばそれは幸福の極みです(適当な締め)。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上