パチンコバトル・ロワイアル
あらすじ
「パチンコで負けたら死ねよ」
私はパチンコをはじめとするギャンブルは全く経験が無い。しかしこれだけは断言できる。本作は寝付きを悪くしたい人あるいは胃をムカムカさせたい人以外には到底お勧めすることができないシロモノである。視聴数分ごとに制作陣に殺意を覚えるこのようなゴミには久々にお目にかかった。
舞台設定は、パチンコで国民が負けまくってるから、法改正で国民の半分はパチンコで勝てるように設定し、パチンコ学校を全国に建てる。それでも負ける奴は1クラスにまとめてパチンコの成績で1位になった奴以外をぶっ殺すというトンデモぶりである。到底まともな国家の所業とは思えない施策だが、これだけなら開き直ったおバカ作品として十分理解できるものである。「玉を金に換える」「換金所」といった危ないワードが何の遠慮も無く出てくるところも迂闊そのものであるがまあよしとしよう。問題はその後の展開である。
本作はストーリーを構成しようとする意図があるのかすら怪しい。適当にその場つなぎのカットをツギハギして進む物語は見ていて不快感を覚える。あげく登場人物には何の魅力も無い。本作を視聴している限り、モニターに投げつける悪態が尽きる心配は無用であろう。
以下にそれらのシーンを列挙していこう。ウンコを食べた過去を暴露されたショックで服毒自殺する少年。映画の尺が足りないからというメタ発言で雑に殺される20数人。パチンコ台に接着されたキューピー人形の不気味な笑い声で10名弱が死亡。マシンガンを撃ってくる全裸のハゲ。唐突に襲い掛かってきたカニの剥製との格闘戦。風邪をひいた女子に覚せい剤をブチ込む友情。一分一秒ごとに神経が逆なでされる感覚は二度と味わいたくない類の拷問である。
ラストは主人公らしき地味男が「パチンコは金儲けのためだけじゃなく、楽しむことが一番だぜ」などとゲロの様な綺麗事をほざいてジ・エンドである。この時点で私の精魂は尽き果てていた。
あげく作中とエンドロール後に、博士のコスプレをしたクソメガネが品性の無い下卑た笑みで嘘か本当かわからないパチンコのうんちくを垂れ流すシーンが放映される時間はもはや何の感情も浮かばない無の境地であった。唯一感じたのは、こいつを前蹴りの練習台にしたらさぞかしストレス解消になるだろうなあという淀んだ心の流れだけである。
本作はバトル・ロワイアルのパロディ作品としても、パチンコ愛好家たちへのファンムービーとしても価値を見出せない駄作中の駄作である。こんなものを見る時間があるならば電信柱と会話を試みる方がはるかに建設的な時間を過ごせるだろう。
総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆
以上