ワンコイン・ムービ-レビュー

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ウルトラ・バイオレンス 処刑人セーラ

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あらすじ

「本編見てない奴がパッケージをデザインしている件」

 

 「年収6万ドルは安い。7万5千は欲しい。」と生々しい欲望を抱くオッサン。ある夜、彼はやたら胸元をアピってくる女から仕事を紹介してもらう。通りがかりのホームレスが「そこはヤベえぞ」と忠告してくるが特に伏線回収があるわけでもなく物語は進む。

 

 夜勤でクレーム対応と書類整理してればいいだけなんて楽勝の極みと喜んでいたオッサンは、その職務の真の目的が「頭を探すこと」だと気づく。実は胸元アピール女は10年前に頭部を切断されて死んでいた幽霊だったのだ!彼女は「頭を見つけるか、お前のカノジョの首を切るかしないとお前を殺す」とのたまい、渋るオッサンに対して「労働契約の時にめっちゃ働くっていったろ!」と拡大解釈の極みを斉射する。

 

 なおオッサンのカノジョは無事首を切られたが、オッサンは許されることはなかった。

 

 事件関係者が呪いの力で今さら死んでいく中、オッサンはツレと協力して頭を見つける。頭を装着した胸元アピール女は元カレの家を襲撃する。元カレ曰く、「胸元アピール女は変な宗教に入って悪魔の子を身ごもったんだ。だからヤバいと思って殺した。」とのこと。ヤバいのはどっちもどっちだと思いつつも、胸元アピール女and元カレは消滅、めでたしめでたしかと思いきやオッサンのカノジョが首無し幽霊になってバッドエンドである。

 

 本作全編を通して感じた感想は「後出しジャンケン」の臭いがプンプンするというところである。そこから丁寧に状況を描写していくといった緻密さは見いだせない。もちろん後出しジャンケンだから極悪!というつもりはない。だがそれは後出しジャンケン、次から次に実装される追加要素、それに魅力があればの話だ。ドアを開けた玄関先で「アタシ幽霊!宗教大好き!」などとアピられてもどうしろというのか。

 

 以下は配給という悪徳の栄えの所業のため本作の評価に影響しない点であるが、パッケージが羊頭狗肉の極みに達している点には閉口した。まず、彼女は斧で殺害されただけで、彼女自身が斧をもって襲ってくるわけではない。『キル・ビル』×『処刑人』×『シャイニング』などとどの口でほざけたのだろう。現世ではまん延防止等重点措置がブームらしいが、本作の様な「映画を見てないのにくだらないコピーを欠く配給会社防止」について重点措置をとっていただきたい。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上