ワンコイン・ムービ-レビュー

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リアル・ハント

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あらすじ

「偏見と金満主義のコラボレーション」

 

 クソ田舎で4人の児童を育児していた母親は産後の鬱のせいで心身を病んでいた。夫が家族をほったらかしてゲスい店で遊んでいると勘違いしてダメージを受けた直後、子どもたちの際限ない暴れ様にプッツンしてしまう。彼女は農耕機具で武装して子どもたちを襲撃、4人中3人を殺害して精神病院送りになるというのが本作のガワである。

 

 本作の秀逸な点として、母親が精神障害を患うにいたる過程や、周囲の環境、彼女の心象風景といった要素に係る描写を大胆に無視したところをあげることができるだろう。その代わりにやたら勇気のある長男をメインにアピールして、本作77分の大半は母親による襲撃シーンに割かれる。そう、本作は長男によるアドベンチャー。母親に求められたのはモンスターとしての機能だったのだ。

 

 ふざけるなクソ野郎としか言いようがない。精神障害者をモンスターと見なしてサバイバルホラーを気取っている時点で言語道断なのに、さらにその精神障害は産後の鬱でサバイバルホラーの中身は親の子殺しである。製作陣には知的生命体としての倫理観はなかったのだろうか。

 

 倫理観ってなんだよその定義は?と言われるかもしれないが(経験上こういう奴はなぜか自分の「定義」を持たない)、不幸な人々、抑圧された人々、貧しい人々を救うことは社会正義にかなうと私は考えている。本作がそれに真っ向から唾を吐くエベールにも比肩するクズである以上、私のブログで徹底的にその罪を糾弾することにいささかのためらいもない。

 

 本作冒頭では「この物語は実話に基づいている」と本当かどうかわからない虚言が掲げられるが、だったらなおさら脳をつかうべきだったはずだ。現実世界で、産後の鬱により発生した親の子殺し。それは社会への問題提起にはなりうるだろうが、アトラクションとしてヘラヘラ笑いながら嬲るような材料ではないはずだ。

 

 上述した本作の要素と実際見なければわからない空気、そして製作陣の知能を勘案しつつ、本作キャッチコピーをTwitter風にまとめるなら「メンヘラババアのガイジムーブ」といったところになるだろうか。この1文を読んで貴方はどう感じただろうか。胸に湧き上がった感情が怒りであることを祈りつつ筆を置く。

 

 

総合評価・星0つ(人道に対する罪)

☆☆☆☆☆

 

以上