ワンコイン・ムービ-レビュー

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新選組オブ・ザ・デッド

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あらすじ

「実質的に無きに等しい」

 

 時は幕末の日本。ある外国企業が見世物にしようと持ち込んだゾンビが無事脱走、感染が京の町に広がる。ゾンビと新選組が散発的に戦闘する72分間を最初に断罪しておこう。ゴミである。

 

 肝心の戦闘シーンについてはジジイのファックの方が気合が入っているレベルで救い難い。体幹の威圧も、抜刀の閃光も感じられない、ただ肘から先をプラプラと怠惰に動かすだけの省エネ動作はクソッタレという間投詞にジャストフィットしている。剣道クラブで竹刀を握り始めたばかりの未就学児童の方がよほど剣豪の名にふさわしいだろう。

 

 極めてレベルの低いアクションを、これまた極めてレベルの低いカメラが照準する。まるでスマホをいじりながら電車の扉前から意地でも動かない種族のように、頑として固定されて動かないカメラが役者をクロースアップで捉える。

 

 アクションのレベルは低い。その低いレベルのアクションはクロースアップのためにロクに映らない。という負のトリクルダウンが視聴者を襲う。トリクルダウンの使い方が間違っている気がするが訂正する気はない。

 

 もしも撮影担当が「こんな下卑たアクションを運動とうそぶいて世に届けることは犯罪的である」との判断によってクロースアップを選択したとすれば、私は彼の良心に対して謝罪する用意はできている。

 

 先込め式の単発長銃を連射するオッサンや、クズでゲスという設定のメインキャラクターの行いがただの芸者遊びに過ぎなかったりするところなどは可愛いものだと諦めるしかないのだろう。

 

 本作唯一の功績は坂本龍馬のイメージを変革せしめた点であろう。器の大きな外交官という従来の解釈から頻尿の小汚い通訳に堕天した彼の姿は、きっと現代に生きる人々に勇気と力を与えてくれないだろう。タイトルに冠した侮辱の責任をとって、本作製作陣は京都でも函館でもどこでもいいから腹を切って死ぬべきである

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上