ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

NAKED ブービートラップ

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あらすじ

「グチョグチョ(内臓いじり)」

 

 パーリーピーポーに出かけた4匹のバカが道中変態に拉致されて人間狩りのターゲットにされ殺されていくという理不尽系の本作の売りはグロ描写だ。ショットガンの散弾を食らった足首の表皮がズル剥けになったり、サバイバルナイフを突き立てられたお兄やんの腹がかっ捌かれて内臓ボロンといった清楚で牧歌的な風景がモニタを彩っていく。従って本作は「血とモツが見れれば他はどうでもええんじゃ教」の信者なら許容しうる出来であろう。

 

 本作の問題点は2つある。第1の問題はカメラ役者に寄りすぎ問題である。恐怖におびえる役者の表情に照準を合わせ強調し、視聴者もハイ怖がれ!という意図で投入されたであろうこの演出。それそのものを否定するつもりはない。しかし本作においてはそのクロースアップは乱用というレベルで過剰投入されており、結果、役者の表情がわかっても周囲その他の状況がわからない問題が発生する。量の増加は質の低下であり、戦力とは必要な時に必要な量を必要な場所に投入しなければならない。製作陣はもっと軍事を応用してほしい。

 

 第2の問題はハンター頭悪すぎ問題である。人間狩りを楽しむ変態ハンターたち、彼らの脳みその大きさはステゴサウルスと同レベルである。捕まえたパリピの肌にナイフを押し当てて「どうだこわくなっただろう」的な舐めプレイを展開した挙句、隙を突かれて反撃を食らい散華するのである。武器の管理も杜撰の一言。弾丸の入ったショットガンだの弓矢だのをそこらに転がしておくそのリスク管理能力の高さはパリピによる武器鹵獲を招く。主要キャラのパリピ(女)の戦闘能力の高さも相まって、本作は恐怖を表現したいのかリベンジを表現したいのかどっちつかずである。ただでさえ戦力=投入可能資源が少ない低予算映画においてこれは致命傷と言わざるを得ない。

 

 幸いなことに本作は単純な筋書きにふさわしい76分もの上映時間を確保している。あなたが血に飢えた狼ならば500円をドブに捨ててみるのも一興かもしれない。なお私は特に流血表現で勃起する性癖はもっていないので本作は好きではない。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上