あらすじ
「立憲主義万歳」
人間軍とダークエルフ軍が戦争をしていて、人間軍が負けている。マジヤバくね?ということで人間軍の王女様が他国へ援軍を呼びに行く。その道中でドラゴンとバトルして倒したら何の脈絡もなくダークエルフ軍が降伏するという本作は量産型の、脚本お前船降りろ系の映画である。
戦闘シーンについてはまだマシなところもあり、それは人間同士の殺陣である。特に秀でているわけではないがラリっているわけでもない。それよりも素晴らしいのは対ドラゴンの戦闘シーンである。ナイトメアフレームぐらいのデカさがあるドラゴンのCG相手にオッサン達が剣を持って「ハッ!」とか言いだす劣化版和田アキ子みたいな戦闘シーンについては、もうちょっと何とかならなかったのかと悲壮感の刃が視聴者の胸を突くだろう。
前述の王女は「全ての国民を幸福に!」「身分なんて関係ないわ!」と発言。いうまでもなくこれらは啓蒙思想に基づき勃発したフランス革命を起点として人類が血のにじむ努力でその手に掴んだ幸福追求権と平等原則である。さぞかし立派な王女様なのだろうと思った私の期待は秒速で裏切られることとなる。
王女様は王制に忠誠を誓う(縛られた)騎士を助さん格さんのように傍らに置き調子をクレる。民兵みてえな平民チームには「土地と爵位を与えるから仲間になれ」と持ち掛ける。身分なんて関係ないと言いつつ思いっきり他人を身分で釣っている彼女は「私は剣術を習ったわ!」と宣言するもそこらのモブキャラにボコられる。
総括するならば本作の王女様は、言うことだけは達者な無能クソ女であり、本作はそんな彼女が権力を振りかざすハートフルコメディなのである。
折しも2025年7月3日木曜日より参議院議員選挙が始まる。先人たちが血と汗と涙を流しながら手にした基本的人権を守るため、そして本作の様な口だけババアがのさばらないよう、読者諸氏におかれましては選挙権を行使し、主権者国民としての矜持をもって行動されるようお願い申し上げると同時に、各地方の選挙管理委員会は本作を選挙啓発ムービーとして導入することを検討いただきたい。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上