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ドラゴンエイジ ブラッドメイジの聖戦

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あらすじ

「女騎士が悪いやつをやっつける」

 

 本作はトゥーンレンダリングで作成されたアニメ映画である。登場人物の眉間のシワ、口角、目尻、表情は予想以上に豊かで安心できる。しかしながらやはり装備品の質感が欠けている。中世ファンタジーの本作では剣や鎧、盾が主装備となる。残念ながら剣と剣の衝突に重みは見いだせない。鎧を着た人間の重量感は皆無。敵モンスターとして登場する岩の巨人やドラゴンも同様である。

 

 擁護の道を見出すためには、重さを捨てた分振り分けられたスピードに目を向けるべきだろう。流れるような動きで敵を切り伏せてゆく戦闘スタイルを好意的に見ることは不可能ではない。高所から跳躍してドラゴンの背に飛びかかり一撃を加えるシーンなどは十分童心に熱を入れてくれる。

 

 トゥーンレンダリングという技術の弱点なのだろうか、光の表現も気にかかった。具体的に言うと明るいのである。漆黒の森の中であろうと、晴天の市街の中でも、必ず顔の半分は明るく照らされている。技術的弱点ならともかく、単純ミスならこれは舞台の空気を減殺する残念ポイントと言わざるを得ない。

 

 登場人物は多すぎず少なすぎず必要最小限でまとめられており好印象である。中でも気に入ったのは黒幕として暗躍する老騎士だ。主人公の女騎士と対峙した際、彼は負傷した彼女の足を執拗に狙った蹴りを入れる。別の場面では隊長を不意打ちで殺害し、その罪を主人公たちになすりつける。残忍で誉められた性格ではないが、自ら剣を振るい前線に出て戦う闘士である彼は、低予算映画界の魔王ハドラーといって過言ではない。

 

 なんやかんやで本作は頭空っぽで楽しめるファンタジー作品としてまとまっている。小学校高学年ぐらいに持っていたであろう童心を暖炉にくべて時間をくゆらすのも一興だろう。エンドロールで流れるGacktの曲(Until the last day)も程よく中二心をくすぐるテンションあげぽよでよかったなあと思いました。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上