ワンコイン・ムービ-レビュー

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ショック・ウェーブ

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あらすじ

「トライポッド亜種」

 

 米軍が開発していた殺人マシーンが暴走して、どっかの孤島で暴れまわるという張三李四の本作をまずは褒めておこう。褒めれば必ず伸びます!と教育家もいうではないか。「兵器と同じで褒めるのも状況によりけりだろ」などと考えた私の知能が無知蒙昧なアウストラロピテクスの次元であることに疑いをさしはさむ余地はない。

 

 とりあえず本作のまともなところはCGである。パッケージを見た瞬間、「CGだけは擁護できないだろうな」と思った私の予想をハードラーの如く飛び越えてゆくその姿は、『宇宙戦争』に出てくるトライポッドの小型版のような形態をしている。頭部からレーザーを撃ったり腕部で敵の首を引きちぎったりする攻撃手段の豊富さはそれなりに魅せるものに仕上がっている。

 

これに対抗する米軍の特殊部隊。高性能センサーを搭載したマシーンが相手のはずだが、彼らは真昼間にチヌークで孤島に着陸した後、ジャングルの中を横一列になっておしゃべりしながらウォーキングする。その様は18世紀の戦列歩兵にみえないこともないこともなかった。どこからどうみても狭い道でヤバいヤバい言いながら横隊を組む女子である。実に邪魔だな早く死ねよと思った私を誰が責められるだろうか。

 

 殺人マシーンに対抗すべく、特殊部隊も決戦礼装を装備している。その名はベータ・レーザーガン。その外観は84mmカールグスタフを一回り小さくした感じのシルバーメタリックである。もちろんこの武器は特に活躍することもなく秒殺で画面から消滅する。決戦礼装に魅力がない作品からどう魅力を見出せばよいのだろう。

 

 ではどうやって殺人マシーンを倒すのか。同行していた女科学者が宣言する。「鉄塔の下にマシーンをおびき寄せて鉄塔を爆破するの。鉄塔がマシーンに倒れこめばそれが避雷針の役割を果たしてマシーンにライデインよ!」

 

 この理性で溢れるテニスコートの誓いに基づき兵士たちは銃を乱射する。棒立ちではなく伏せ撃ちや膝撃ちもちゃんとしていたことは、彼らの名誉のために付け加えておく。しばしの茶番劇のあと、殺人マシーンは無事落雷を食らって死亡する。

 

 落雷を待つことなく普通にライフルの弾で敵を撃破しているシーンや、アイアンサイトを覗き込んだ刹那、光学スコープ視点に切り替わるシーンなど、笑いどころを探しながらポテチとコーラを両手に寝転がりながら屁をこきつつ視聴する分には合格点かもしれない。とどのつまりは私のような堕落した馬鹿向けの作品である。嫌いだけど。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上