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コルト45 孤高の天才スナイパー

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あらすじ
陰キャ覚醒」

 

 警察の武器庫で管理係として働く陰キャのお兄やんは実はアルティメットのび太だった。彼は射撃大会に出れば新記録をたたき出し、大正義米帝軍からもリクルートを受ける射撃の天才である。趣味で防弾チョッキを貫通する45口径炸裂弾まで作っちゃうんだぜベイベー。

 

 そんな彼はある日悪党の姦計に嵌り、正当防衛とはいえ一般人を射殺してしまう。殺人の証拠隠滅を買って出る悪党、それにただうなずくしかないお兄やん。悪党はそれをネタに彼をゆすりつづける…。

 

 本作を楽しめるか否かの分水嶺は、このお兄やんに係る心情に理解を示せるかどうかというところにあるだろう。突発的正当防衛により人を撃ち殺してしまった陰キャが誰かに相談する勇気を持てないまま悪党に付け入られるという設定。確かに褒められた行為ではないが人間が理想的でない生き物である以上十分作劇として楽しめる設定であると私は考える。

 

 しかし正義感の強い方の目には、このお兄やんはただの卑怯者にしか見えないだろう。となればもはや本作は楽しめまい。後に控えているアクションシーンにしても、ただのへにゃチン野郎のハイパーおちんちんタイムにしか見えないことだろう。よって「俺は正義大好き!人間は理想郷!」という方には本作の購入はお勧めしない。

 

 本作の前半から中盤にかけては悪党に操られ、また悪党によって起こされた犯罪によって疲弊するお兄やんの姿が描写される。特に映像的に優れた点は見当たらない。本作の見どころは後半である。悪党によって同僚・友・親同然の存在をすべて失った彼は狂戦士として覚醒する。マフィアを取り巻きの娼婦ごと銃撃で薙ぎ払う、情報を吐かせるために半殺しにした相手の手足を撃ち抜き最後は当然殺す、ラスボスの丹田に叩き込むとどめの一撃は決戦兵装45口径炸裂弾とくればもうおなか一杯でしょう奥さん。

 

 そうそう、本作前半においても見どころは存在するので記しておかねばなるまい。それは軍・警察の射撃競技会のシーンだ。ブルーのポリスユニフォームで山野を駆け回るミスマッチはご愛敬だが、ハンドガンとアサルトライフルを巧みに切り替え、マガジンをチェンジし、金属標的に命中弾を与えていくその所作はなかなかのものである。

 

 本作を総括しよう。本作を楽しめるのはとにかくラストで銃をバンバンしていればいいんや教の信者のうち、うじうじした陰キャが主人公でもいいじゃん宗派に属する敬虔な神の子羊であると思われる。クソみたいな正義感や審美眼はかなぐり捨てて、アホみたいに寝っ転がってカウチポテトしましょうよ。おすすめはしないけど。

 


総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆

 

以上