ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

スティーヴ・オースティン S.W.A.T.

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あらすじ

「残念マッチョ」

 

 本作で視聴に耐えうるアクションシーンはオープニングのみである。とはいえ、それも残念なレベルである。主人公である白人のハゲは立てこもり犯と交渉しているネゴシエーターからマイクを奪い「ソフトにシバかれるかハードにシバかれるか選べ」と宣言する。突然意味も無く加虐性癖を暴露したかのようなこの態度には微笑みを漏らさずにはいられない。

 

 主人公達は本物のSWATの様にテクニカルな突入は行わない。彼らは正面からオラついた中学生の様に肩をいからせて入場し犯人と交戦する。彼らはエアガンで相手をおちょくったり、人質の頭部に冷凍チキンを投げつけたりして遊ぶ。あげく20ヤードほど離れてピストルを向けている相手を一瞬で殴り倒すなどリアリティを追及したシーンもある。縮地か。お前は金日成か。

 

 当然署長はブチ切れ。「犯人は皆殺しにするわ、人質は負傷させるわ最悪だ!人質の1人はお前らの突入のせいで骨盤を骨折して排泄もできないんだぞ!」と語気を荒げるが、隊員たちは排泄できないというワードがお気に召したようで大爆笑。

 

 彼らは懲罰として再教育訓練を受けることとなる。座学では講師から「児童を人質に立てこもった相手をどう説得するか?」という問いが投げかけられる。彼らは爆笑しながら「閃光手榴弾催涙弾をブチ込んでM4ライフルで撃ち殺す」と回答。講師はあきれ顔で中に児童がいることを思い出して再検討せよと促すと「キャンディと毛布も持っていってM4ライフルで撃ち殺そう」との回答。結論として彼らは脳筋で知性が無い。M4M4とやかましい。お前はゴーマート下院議員か。

 

 その後やっと本筋に入るのだがこれがつまらない。イタリアマフィアとロシアンマフィアが「ブツ」のありかを巡って押し問答をしているところにSWATがやってくる。SWATと呉越同舟マフィアチーム、ファイト!と思いきやSWATは訓練用の非殺傷弾を装填していたから戦えないというクソの様な展開がインクルードされる。あれだけ自慢していたM4はゴミと化した。

 

 残りの視聴時間は悲惨そのもの。主人公達はひっそり隠れて近づいてきたマフィアを殴る作業に没頭、マフィアは「ブツはどこだ!」とヒステリックブルーになる。最終的には実弾を手に入れたSWATがマフィアを吹き飛ばす。この際、隊員である黒人のハゲがグレネードランチャーに祖母の名前を付けているという唐突かつどうでもいい設定が明らかとなる。彼は高らかに叫ぶ。「おばあちゃんを食らえ!」ぽたぽた焼かお前は。

 

 本作は無理にSWATを弱体化させてマフィアと接戦を演じさせようとしたコンセプトそれ自体が誤りであったと言わざるを得ない。オープニングシーンの様なチンピラSWATがアホをどつきまわしていく路線で行けばよかったのにと残念さが残る作品である。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上